探査機はやぶさのカプセル内の微粒子が小惑星イトカワ由来のものと確認 小惑星からのサンプル回収は世界初
【2010年11月19日】
宇宙航空研究開発機構(JAXA)[注釈 1]は11月16日(UTC+9)、小惑星イトカワから地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル内に入っていた微粒子約1,500個を調査した結果、大半がイトカワに由来する砂粒であると確認されたと発表した[1][2]。月よりも遠くの小惑星の物質が回収されたのは世界初となる[1][2][3]。
JAXAによると、微粒子の大部分は1000分の1ミリ程の大きさで[1]、カンラン石や輝石などの鉱物が主成分であった[1][2]。こうした鉱物の割合や、含有されている金属の比率などを調査した結果[2]、「はやぶさ」がイトカワに接近した際に観測されたイトカワ表面の成分データと一致した[1][2]。この結果から、外部の研究者も交えて検討を進め、11月10日に[注釈 2]「イトカワに由来する物質と見て間違いない」と断定した[1][2]。
プロジェクトの開発責任者であった川口淳一郎・JAXA教授は記者会見を行い、「7年の飛行が本当に完結してよかった。信じられないくらいの幸運[2]」「日本の長い宇宙開発の成果だ[1]」と述べた[1][2]。
JAXAは今後、日本全国の専門家と協力して分析を進める方針で[1]、さらなる調査のためにサンプルの一部を海外の研究者に提供する可能性も示した[3]。
イトカワは約46億年前の太陽系誕生時の姿を留めている天体とされ[1]、今後の研究で太陽系や地球の形成などの解明に役立てられることが期待されている[1][2][3]。
注釈
編集情報源
編集本ニュースは「共同通信」「時事通信」および「ロイター」の以下の報道を情報源としている。
関連ニュース
編集- "小惑星「イトカワ」の探査ロボット、着陸失敗か"。ウィキニュース、2005年11月14日
- "探査機はやぶさ、小惑星「糸川」に着陸していた―データ解析で判明"。ウィキニュース、2005年11月25日
- "探査機はやぶさ、小惑星「糸川」に再び着陸、岩石採取も成功"。ウィキニュース、2005年11月26日
- "小惑星探査機はやぶさ、地球帰還にむけ準備開始"。ウィキニュース、2006年12月3日
- "はやぶさ後継の小惑星探査計画、予算獲得をめざし宇宙開発委員会に報告"。ウィキニュース、2006年12月4日
- "小惑星探査機はやぶさ、地球への帰還軌道へ"。ウィキニュース、2010年3月31日
- "小惑星探査機はやぶさ、地球に帰還 回収カプセルがオーストラリアの砂漠に落下"。ウィキニュース、2010年6月14日