はやぶさ後継の小惑星探査計画、予算獲得をめざし宇宙開発委員会に報告

【2006年12月4日】 毎日新聞が12月4日付で報じたところによると、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は4日、小惑星探査機「はやぶさ」の後継機である「はやぶさ-2」の開発計画を文部科学省宇宙開発委員会で発表した。予算が承認されれば2007年度から開発が開始され2010年度に打ち上げられる。

「はやぶさ」は、将来の小惑星探査技術を確立するために開発された技術試験機である。2005年9月12日に小惑星イトカワに到着し、近傍からの観測によって多くの成果をあげた。また世界ではじめて小惑星の物質の採取に挑んだ。現在は2010年の地球帰還に向け準備を進めている。

「はやぶさ-2」計画は、「はやぶさ」と同じ機体をベースに、はやぶさで見つかった問題点を改良した探査機で行う。ターゲットとなる小惑星は1993 JU3というC型小惑星であり、S型小惑星であるイトカワよりも原始的な天体であると考えられている。計画では2010年11月に打ち上げられ、2011年11月に地球スイングバイを行う。2013年5月から11ヶ月の探査を行い、2015年か2016年の12月に地球に帰還する。12月1日付日刊工業新聞によると開発費用は「はやぶさ」の120億円より若干安くなる見込みで、毎日によるとうち約5億円を来年度予算として要求する。

一方、アメリカ航空宇宙局 (NASA) はディスカバリー計画の一環として、OSIRISという小惑星サンプルリターン計画を10月に発表した。それによると、OSIRISミッションは小惑星からの初のサンプルリターンを目指すミッションである。ターゲットとなる小惑星は1999 RQ36というC型小惑星で、打ち上げは2011年秋、2013年2月から約300日間の探査を行い、サンプルを採取して2017年に地球に帰還する。開発のための初期費用として120万ドル、トータルで最大4億2500万ドルが計上される。

現在飛行中の「はやぶさ」は、地球帰還にむけた努力がなされており、もし2010年の地球帰還が実現すれば初の小惑星サンプルを地球に届けることに成功する可能性が高いとされているが、すでに多くの故障箇所をかかえ、サンプル採取も失敗している可能性がある。はやぶさプロジェクトチームによると、日本が小惑星からのサンプルリターンでトップの地位を確実なものとするためには2007年度から開発を開始しなければ間に合わないという。

JAXAによると、予算がついて開発をはじめられる科学プロジェクトは原則として1年に最大一つである。既にJAXAはASTRO-G/VSOP-2という電波天文学のプロジェクトに関し来年度の予算要求を行うことを決めており、宇宙開発委員会での評価も終了している。もしこれに加えて「はやぶさ-2」の予算も認められれば異例の出来事となるが、毎日新聞によれば、予算が認められるかどうかは微妙だという。

はやぶさプロジェクトチームはウェブサイト上で「はやぶさ-2」の意義を説明すると同時に、予算獲得のため「応援がほしい」と呼びかけている。

関連記事

編集

出典

編集