小惑星探査機はやぶさ、地球への帰還軌道へ
【2010年3月31日】
2005年に小惑星イトカワに着陸し、地球帰還を目指している小惑星探査機「はやぶさ」が3月27日(UTC+9)、地球へ接近する軌道に入った[1]。これを受けて、宇宙航空研究開発機構は同日、軌道変更に用いられていた「はやぶさ」のイオンエンジンを停止した[2]。
「はやぶさ」は世界で初めて小惑星の砂を持ち帰ることを目標として、2003年5月に鹿児島県の内之浦から打ち上げられた[1]。2005年11月にイトカワに着陸後、通信の途絶などで帰還予定が当初の2007年から3年遅れることとなった[2]。昨年11月にはエンジンの故障で帰還が危ぶまれたものの、4基のエンジン中、故障していない2基を用いて飛行を続けてきた[1]。今後は数回の軌道微調整を行って地球に接近し、小惑星の砂が入った可能性のあるカプセルをオーストラリアの砂漠に投下する予定[1][2]。
宇宙航空研究開発機構は27日の午後3時過ぎ、神奈川県相模原市の運用管制室から「はやぶさ」へエンジン停止の信号を送り、およそ5分後にエンジンの正常な停止が確認された[2]。
エンジンの運用を担当した国中均・宇宙航空研究開発機構教授は、「宇宙技術の面では、エンジンによる地球と小惑星との往復を達成できたと考えており、大満足。よく帰ってきてくれた」と喜びの言葉を述べた[1][2]。
情報源
編集本ニュースは「朝日新聞」と「共同通信」の以下の報道を情報源としている。
関連ニュース
編集- "小惑星「イトカワ」の探査ロボット、着陸失敗か"。ウィキニュース、2005年11月14日
- "探査機はやぶさ、小惑星「糸川」に着陸していた―データ解析で判明"。ウィキニュース、2005年11月25日
- "探査機はやぶさ、小惑星「糸川」に再び着陸、岩石採取も成功"。ウィキニュース、2005年11月26日
- "小惑星探査機はやぶさ、地球帰還にむけ準備開始"。ウィキニュース、2006年12月3日
- "はやぶさ後継の小惑星探査計画、予算獲得をめざし宇宙開発委員会に報告"。ウィキニュース、2006年12月4日