JR西日本の車掌、乗務中に運転室内のヒューズ抜き取る - 大阪府警逮捕

【2010年7月21日】

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ウィキペディア列車防護無線装置に関する記事があります。

読売新聞朝日新聞によると、JR西日本電車から、事故などの際に近くを走行する車両に対し緊急信号を発報する防護無線を作動させるための予備電源装置のヒューズを抜き取ったとして、大阪府警捜査一課阿倍野署は、同社天王寺車掌区大阪市天王寺区)所属の車掌・藤田博和容疑者(49歳、京都市下京区在住)を、器物損壊偽計業務妨害の容疑で逮捕したと、7月21日UTC+9)に発表した。

読売新聞によると、藤田容疑者は「会社(JR西日本)への不満」を動機に挙げ、「車掌の仕事に疲れ、ストレスが溜まっていた」と供述している模様である。藤田容疑者は職場の異動を希望していた模様で、同府警はさらに動機を追及する方針である。

両報道によると、同府警の話として、藤田容疑者は4月上旬に、電車の運転室内の防護無線用予備電源装置からヒューズ1本を抜き取ることで装置を壊し、非常時に無線が使用できない状態にすることにより、4月下旬から5月上旬に掛けて、同社に対し多数の列車の緊急点検を行わせて業務を妨害した疑いがある。

朝日新聞によると、藤田容疑者は、乗務中に自らが持ち込んだドライバーでヒューズを抜き取ったと話しており、同府警の調べに対し、「今年の2月3月頃から20件ぐらいやった。会社に対し不満があった。抜き取ったヒューズは捨てた」などと話している模様である。

朝日新聞によると、同社の話として、4月30日の定期点検で、1両からヒューズが抜き取られているのが見つかり、その後、同社の調べで、約2,800両の一斉点検などで計22両の車両に於いてヒューズの抜き取りが確認された。 22両のうち21両は5月12日までに被害が確認されたという。同社は、再発防止策として、ヒューズを収める予備電源の蓋の部分のキャップに封印シールを貼付したものの、同21日に、新たに1両でシールを剥がした上で抜き取られているのが判明したため、剥がすと痕跡が残るシールに張り替えたという。

朝日新聞によると、防護無線は、半径約1キロ圏内を走る列車に対し危険を知らせ、脱線時に二重衝突を防ぐ上でで重要な役割を果たす装置で、事故などで列車が停電した場合でも、予備電源装置があれば防護無線を発報できるが、ヒューズが無いと通電せず、防護無線は作動しない。2005年4月JR宝塚線(福知山線)脱線事故の際には、停電で防護無線が作動しなかったため、これを受け同社は、2006年9月までに運転室を持つ全車両に予備電源装置を配備していた。

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