重体の女児、笑顔が戻る―中国製餃子中毒事件

【2008年2月7日】

時事通信読売新聞によると中国冷凍餃子による殺虫剤中毒事件が発覚して、6日で1週間が経過した。一時的に意識不明の重体となり最も症状の重かった千葉県市川市の女児も回復に向かい、笑顔も見せるようになった。主治医が6日の記者会見で明らかにした。

読売新聞によると、主治医は同女児について「ヤマは越えた。1 - 2週間で退院できる見込み」という。また、家族も含めた一家5人は今なお入院中だが危険な状態は脱した。

時事通信によると会見した順天堂浦安病院の角由佳医師らの話では女児は23日の午後に搬送された際、意識がなく涙を流して唾液(だえき)が多かったり手足に少しけいれんしていた。最初に運ばれた病院での血液検査の結果などにより有機リン系農薬の中毒である可能性が強く疑われたため、胃洗浄を行って下剤も使用したという。

読売新聞によれば体温も一時40度を超える高熱など、有機リン系中毒特有の縮瞳(しゅくどう)が見られ、3日間は意識不明の状態にあったという。一般病床に移った5日には、別の病院に入院している母親 (47) と2週間ぶりに対面して女児は「お母さん、会いたかったよ」、「私、頑張ったよ」などと話したり、2人で「雪やこんこ」などと歌って笑ったという。

時事通信によれば、角医師は一家5人が同じ餃子を食べたのに女児だけが重体になったことについて、「5歳と一番体重が少ないため、体重当たりの摂取量が多かったのだろう。命にかかわる状態だったのは間違いない」とする。有機リン系中毒では、症状が摂取後10日から2週間でぶり返すケースや手足にしびれが残る例もある。今のところ、本人はしびれを訴えておらず、角医師は「今後、悪化することはないと思う」という見解だ。

読売新聞では、スーパーにおいて冷凍食品全般の売り上げが落ちているが、餃子の皮に対する売り上げは好調に転じたり餃子専門店の営業も順調など、「手作り回帰」の傾向がでているとしている。

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