診療所院長、新型インフルエンザワクチンを自分の孫に「優先接種」

【2009年12月9日】

読売新聞毎日新聞産経新聞によると、兵庫県宝塚市小児科診療所の60歳代の院長が10月UTC+9、以下同様)に、医療従事者に対する新型インフルエンザワクチンを、厚生労働省との委託契約に違反して、自分の6歳のに2回に亘り接種していたことが判明した。この件について情報提供を受けた厚生労働省が、11月中旬に調査に乗り出したが、この院長は、診療所に薬剤師として勤務するに対し接種したと虚偽の報告をし、隠蔽工作を行っていた。

読売新聞によると、新型インフルエンザワクチンの接種は、国と委託契約を結んだ医療機関だけが実施でき、医療従事者妊婦や基礎疾患がある人、1歳~小学校3年生まで、などの優先順に接種することが義務付けられており、違反があれば、国は契約解除が可能。問題の診療所では、12月9日現在、約300人の予約を受けており、契約が解除されれば接種できなくなる可能性もある。

読売新聞によると、問題の診療所には、10月20日に初回の医療従事者用ワクチン2大人4人分)が届いた。診療書では看護師4人に接種する計画だったが、院長の判断で同22日夜、診察終了後不在となった診療所に孫を来院させ、1瓶を開封してワクチンを接種し、余った分は翌日に持ち越せないため廃棄処分にした。健康な小児(1歳~小学校3年生)は免疫が付きにくいため2回の接種が必要で、11月12日夜に再び孫を呼び、医療従事者用ワクチンを接種した。産経新聞によると、その結果、この診療所で接種できた医療従事者は、院長や看護師ら5人のみだったという。


読売・毎日新聞によると、近畿厚生局に対し複数の情報が寄せられたため、これらに基づいて、11月中旬に院長に対し、医療従事者が適正にワクチンを接種したことを証明するため、予診票の提出を要求したところ、院長は、孫への接種分は「妻に接種した」との内容の虚偽の予診票を新たに作成し、さらに、廃棄処分したワクチンを看護師に接種したことにするため、看護師の予診票の日付も、妻と同じ日に改竄した。

毎日新聞によると、院長はその後、同省に対し、「予診票は虚偽で、実際は孫に接種した。孫は喘息の持病があり、私立小学校の受験も控えていた」と説明した模様である。

読売新聞によると、院長は、「喘息の持病を持つ孫の健康が心配で、不正を承知で接種した。医師のモラルに反する行為だった。国には虚偽の説明をした」などと認め、9日、厚労省に電話で事実を伝えた。初回の接種後、院長の孫は実際に有名私立小学校を受験していたが、院長は「受験よりも、喘息がきつかったのが理由」と釈明している模様である。

毎日新聞によると、厚生労働省は、この診療所と締結した予防接種業務委託契約を解除することを検討中である。

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