日本国内でのデング熱の感染、約70年ぶりに相次ぐ - 代々木公園の蚊が原因か
【2014年9月4日】
日本国内でのデング熱の感染が、約70年ぶりに確認された[1]。その後のNHKの報道によると、感染者は9月3日までの段階で48人[1]、9月4日までの段階で59人[2]と増加の一途をたどっている。感染者は全員、最近1か月以内の日本国外への渡航歴がなく、代々木公園もしくは同公園の周辺を訪れていたという共通点がある[1][3]。感染者の容体は安定しており、重症化した人はいないという[1]。
全国各地で発症の報告
編集9月2日には山梨県で初めて10代女性への感染が明らかになった[4]。この女性は8月中旬に代々木公園の内外で蚊に刺され、山梨県へと帰った後の8月23日に高熱や筋肉の痛みに襲われたという[4]。 8月29日になってデング熱への感染の疑いがもたれ、この患者が受診した医療機関から保健所へ報告がなされた。更に保健所から連絡を受けた国立感染症研究所によってウイルス検査が行われた結果、デング熱に罹っていたと診断された[4]。山梨県の健康増進課では、「デング熱は人から人へ感染することはない。蚊に刺されて感染しても、1週間前後で症状は回復する」としている[4]。
9月3日に北海道では初の感染が判明した札幌市の40代女性の場合、8月22日に代々木公園周辺で蚊に刺され、8月29日に高熱が出て入院した[5]。一緒に行動していた実子や友人は感染していなかった[5]。デングウイルスを媒介する蚊の生息地に北海道は含まれないとされており、感染が拡大する可能性はごくわずかであると札幌市保健所では見ている[5]。
同じ9月3日までにデング熱への感染が確認された人々の中には、タレントの青木英李(あおき・えり)さんと紗綾(さあや)さんもいることが分かった[3]。ともにTBS系の情報番組『王様のブランチ』でリポーターを務めており、番組のロケを代々木公園で行ったことがあった[3]。ふたりの所属芸能事務所は、それぞれ病状は回復しつつあると伝えている[3]。
デング熱の症状・経過
編集デング熱はデングウイルスを持つ蚊(ヒトスジシマカ)に刺されて感染する病気で、アジア・アフリカ・ラテンアメリカの熱帯・亜熱帯地域で流行している[1]。ヒトからヒトへは感染しない[1][3][5]。潜伏期間は3日から7日で、発症した場合は高熱・皮疹・頭痛・関節の痛みなどの症状が1週間ほど続く[3]。
また厚生労働省は「代々木公園周辺を訪れ、その後に発熱などの症状があった人は、早めに医療機関に相談してほしい」と呼びかけている[3]。
情報源
編集- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 『デング熱 新たに14人感染確認 計48人に』 — 日本放送協会, 2014年9月3日
- ↑ 『デング熱の感染者増え59人に』 — 日本放送協会, 2014年9月4日
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 『「王様のブランチ」リポーター2人も確定 患者47人に』 — 産経新聞, 2014年9月3日
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 『デング熱に山梨県内女性も感染』 — 産経新聞, 2014年9月3日
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 共同通信 『札幌の40代女性、デング熱に感染 代々木公園周辺訪れる』 — 日本経済新聞, 2014年9月3日