日本マクドナルド、業績見通しを「未定」に - 中国期限切れ食材事件の影響か?
【2014年7月30日】
日本マクドナルドは、中国・上海の食品加工会社が使用期限切れの食材を加工して出荷したとされる問題を受けて、「売り上げの減少が予想されるとともに、安全管理のための投資で、費用の増加が予想されるため、ビジネスへの影響を合理的に見積もることができない」として、2014年度の年間業績見通しを一旦取り下げて「未定」としたことを明らかにした[1]。
日本マクドナルドホールディングスのサラ・カサノバ最高経営責任者(CEO)兼社長は、7月29日、今回の問題を受けての謝罪会見を行い、「お客様第一」として、「商品への信頼をいただけるように取り組む」とする姿勢を述べた。しかし、今回の問題が発覚してから、日本マクドナルドの売り上げが1日あたり15-20%の幅で減少の傾向にあり、今後の売り上げ減少や廃棄によって「数十億円の影響が出てもおかしくない」(今村朗財務本部執行役員)としており、業績悪化の影響が避けられそうにない状況にあるとしている[2]。
日本マクドナルドが7月29日に発表した2014年6月期中間連結決算は、売上高が前期から比べて6.7%減の1210億円、最終利益(当期)も59.4%減少の18億円と落ち込んでおり、今回の問題の影響が拡大すれば、3期連続して減収減益となる恐れもある[3]。
カサノバ社長は、会見で「大切なお客様に不安を与え、心配をおかけしたことを深くお詫びします」としたうえで、「今回の問題は到底受け入れがたく、報道されている行為は絶対に許されないものだ」と述べた。現在日本マクドナルドでは中国製の鶏肉を使ったチキンナゲットなどのメニューの販売は中止しており、これらをタイ産に切り替えているが、商品の安全性を一段と高めるために、鶏肉以外の食材を加工している中国の業者と、タイの鶏肉加工業者に対して、衛生面などで基準を満たしているかを臨時に監査することや、これらの業者が加工した製品を日本国内で品質検査を行う方針も明らかにしている[4]。
さらにその上で、新たな対策としてすべてのメニューについて、原料を作っている国と最終加工国について、ホームページで公表し、中国とタイに品質管理担当者を派遣することも発表した[5]。
また今回の問題を見抜けなかった理由について、日本マクドナルドは「データの改ざんや二重のデータ管理が行われていたため」としており、これらの事実が確認された場合は、上海の会社に対して損害賠償を求める方針も明らかにしている[4]。
情報源
編集- ↑ 『日本マクドナルド 業績見通し「未定」に』 — 日本放送協会, 2014年7月29日
- ↑ 神崎修一、山口知 『マクドナルド:12月期予想、異例の「未定」 悪影響必至(1)』 — 毎日新聞, 2014年7月29日
- ↑ 神崎修一、山口知 『マクドナルド:12月期予想、異例の「未定」 悪影響必至(2)』 — 毎日新聞, 2014年7月29日
- ↑ 4.0 4.1 『日本マクドナルド社長 食材問題で陳謝』 — 日本放送協会, 2014年7月29日
- ↑ 『日本マクドナルド 期限切れ肉問題で謝罪』 — テレビ東京, 2014年7月29日