信楽高原鐵道列車衝突事故、JR西日本の過失は3割 - 大阪地裁が認定

【2011年4月28日】

信楽高原鐵道列車衝突事故の事故現場跡と慰霊碑
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読売新聞朝日新聞によると、1991年5月に、信楽高原鐵道(以下、「SKR」)の列車と、同鉄道相互乗り入れしていたJR西日本の列車とが正面衝突し、42人が死亡した事故信楽高原鐵道列車衝突事故)で、JR西日本がSKRなどに対し、遺族らへの補償金などをそれぞれの過失割合に応じ精算するとして、約25億3,000万円を請求した訴訟判決公判が、4月27日UTC+9)に大阪地裁であった。

読売新聞によると、同地裁の田中敦裁判長は、過失割合について、SKRが7割、JR西日本が3割であるとし、SKRに対し約11億1,000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。一方、SKRに対し出資している滋賀県甲賀市への請求は退けた。

読売新聞によると、SKR・滋賀県・甲賀市・JR西日本の4者は、補償金などについて、以前に、SKRとJR西日本が一旦折半した上で、過失割合が明確になった場合は精算する内容の協定を締結した。朝日新聞によれば、遺族側への補償金のうちの5割強に相当する約31億円を負担した原告のJR西日本は、「赤信号の下で列車を発車させたSKRの責任が9割であり、当社の責任は1割分に当たる約5億円である」と主張し、SKR側に対し約25億3,000万円の支払いを求めていた。

朝日新聞によると、同事故を巡っては、業務上過失致死傷罪などに問われたSKRの元運転主任らを有罪と判断した大津地裁判決(2000年3月)や、遺族に対し損害賠償を命じた民事訴訟の判決に於いて、JR西日本の安全対策の不備が認定されたが、責任の割合について司法判断が示されるのは初めてのこととなる。

読売新聞の別報道によると、長期間続いた「加害者同士の争い」について、同事故の被害者の遺族は一様に呆れている様子で、同事故で妻を亡くした吉崎俊三さん(77歳、兵庫県宝塚市在住)は、「まだ金銭面で揉めていたことに憤慨している」と、憤りを露わにコメントした。

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