2005年衆院選・公約比較—年金制度
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【2005年8月26日】
各党の公約・政権公約がほぼ出そろった。どの党も、世論調査で国民の関心が高いとされる年金制度改革をうたっている。
日本政府が2004年に行った社会保険庁改革について、自由民主党の政権公約は「将来にわたって国民の信頼に応えられる持続可能で安心な年金制度を構築した」としながらも、「年金への信頼と安心を一層強化する」と見直しを計っている。これに対し、日本共産党は「制度の空洞化が深刻化し、老後の生活保障という役割を失う」と批判している。
各党の政権公約
自民 | 民主 | 公明 | 共産 | 社民 | |
---|---|---|---|---|---|
社会保険庁 | 事実上廃止。公的年金は、新たな政府組織に運営を担わせる。 | 廃止。徴収は、国税庁を改編した歳入庁で行う。 | さらなる改革を断行する。 | 特定企業との随意契約や天下りなど、ゆ着・腐敗を根絶する。 | 改革する。年金積立金の運用等について再検討する。 |
一元化 | 公務員の共済年金と厚生年金を一元化。非正規労働者(パートなど)も厚生年金に加入できるように改正する。 | すべての年金を一元化。 | 共済年金と厚生年金を一元化。 | 国民年金と厚生年金の低い部分を底上げし、年金制度間の格差を縮小する。 | 一元化。「基礎的暮らし年金」と「所得比例年金」を組み合わせた制度にする。 |
専業主婦・ 女性の年金 |
— | 二分二乗方式を採用。 | 女性の年金権を確立。 | 最低保障年金制度で問題の解決をすすめる。 | — |
無年金者 | 障害者自立支援法案を早期成立。改正障害者雇用促進法を着実に実施。 | 無年金障がい者には、基礎的な所得保障。在日外国人・在外邦人には、老齢福祉年金などに準じた給付。 | — | パート労働者に厚生年金加入の権利を保障。 | 非正規労働者の厚生年金加入を促進。 |
議員年金 | 改革する。 | ただちに廃止。国会議員も国民と同じ公的年金制度に加入。 | 廃止。最終的には公的年金制度と統合。当面は、国庫負担を50%に減額し、議員が受け取る年金は33%減らし、既裁定者の給付額を10%減額。 | 廃止。議員の納める納付金の範囲で運営する。 | — |
最低給付額 (月額) |
— | 7万円 | — | 5万円 | 8万円 |
財源 | — | 所得比例年金と、税を財源とする最低保障年金。年金目的消費税の導入。 | — | 大型公共事業や軍事費などの浪費を削減し、大企業や高額所得者に応分の負担をする。最低保障年金は、全額国庫。 | 「基礎的暮らし年金」は、全額税。所得比例部分は、企業が負担する保険料(社会保障税)の約半分を投入。 |
国庫負担率 | 2分の1 | 予算の無駄遣いを無くし、2008年度までに2分の1に。 | — | — | — |
他 | 年金保険料率の上限は15%。納税者番号制度を導入する。 | 年金積立金は、高齢化がピークを迎える2050年頃までに計画的に取り崩して年金の給付にあてる。 |
出典
- 『自民党 政権公約2005』 — 自由民主党, 2005年8月19日
- 『社民党総選挙政策2005』 — 社会民主党, 2005年8月18日
- 『民主党マニフェスト』 — 民主党, 2005年8月16日
- 『公明党マニフェスト2005』 — 公明党, 2005年8月16日
- 『衆議院選挙にのぞむ日本共産党の各分野の政策』 — 日本共産党, 2005年8月11日