独連立政権交渉、結論は10日の会談へ持ち越し

ドイツ
特集:ドイツ連邦議会2005年選挙
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【2005年10月10日】

ドイツの次期首相候補を主な議題とするキリスト教民主同盟(CDU)・キリスト教社会同盟(CSU)とドイツ社会民主党(SPD)の第2回党首会談が、9日欧州中央夏時間(UTC+2)夜(日本時間10日未明)ベルリンで開かれたが、結論が出ず、次回現地時間10日の第3回党首会談に持ち越された。独ZDFテレビ・ARDテレビなどが伝えた。

報道によれば、両会派幹部4人が9日3時間半にわたって会談を行った。参加者は同盟からはCDUのメルケル党首・CSUのシュトイバー党首(現バイエルン州知事)、SPDからはシュレーダー首相とミュンテフェーリング党首。会談は同日現地時間午後11時半(日本時間10日午前6時半)に終了したが、結論が出ず、翌10日現地時間午前11時(日本時間午後6時)から再び党首会談を行うこととなった。

先月18日に行われた選挙の後、CDU・CSUとSPDは連立工作を進めていた。今月2日行われたドレスデン1区での追加選挙で結果が確定し、野党のCDU・CSUが合計226議席を獲得し、第一会派となることが確定したが、両党間の政策の違いに加え、4議席少ない現与党のSPDがシュレーダー首相の留任を強く要望したため、交渉が難航していた。5日行われた連立交渉で両会派が政策面での一定の合意に達した後は、首相問題が連立への最大の障害となっていた。

6日、メルケルCDU党首・シュトイバーCSU党首・SPDのシュレーダー首相・ミュンテフェーリングSPD党首の4人が会談したが、会談の詳細はその時点で明らかにされず、9日夜まで口外しないと発表された。読売新聞によれば、シュピーゲル誌(電子版)が、9日午後8時から、再びトップ交渉を開いて首相問題の決着を図ると伝えていた。

各メディアは、両党内からの反応を伝えている。SPDのオットー・シリー内相は、シュレーダー現首相とメルケル党首が任期を折半する案、「イスラエル方式」を再び提案している。この案では、シュレーダー首相が続投し、メルケル党首が外相に就任する。シリー氏はこの案は諸外国首脳との関係を確立する点でメルケル氏にも有利であると主張している。この案は、一時期、有力な妥協策として報道で注目されていた。一方、CDU側からは、譲歩に警戒する発言が多く見られる。ZDFによれば、CDUのディーター・アルトハウス・チューリンゲン州首相は、CDUが議席数で勝っていることを強調し、過剰に譲歩しないように求めている。ARDによれば、CDUのギュンター・エッティンガーバーデン=ヴュルテンブルク州首相は、ドイツ放送に対し、CDUとSPDからの閣僚の数は同じであるべきだと語った。

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