大阪個室ビデオ店放火事件、店やビル所有者らの立件を断念

【2009年10月1日】

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読売新聞朝日新聞毎日新聞によると、16人が死亡し9人が重軽傷を負った2008年10月UTC+9、以下同様)の大阪市浪速区の個室ビデオ店・『キャッツなんば店』の放火事件(大阪個室ビデオ店放火事件[注釈 1]で、同店やビル管理会社側に管理上の問題が存在していなかったか捜査していた大阪府警捜査1課は9月30日に、惨事に直結した違法行為が店やビル側にあったとは言えないと判断し、業務上過失致死傷容疑での立件を見送る方針を固め、捜査を終結したと発表した。

朝日によると、この火災2008年10月1日午前2時55分頃に発生。店内には、狭い通路の両側に計32室の個室が並んでおり、通路は全て袋小路になっていて、事実上抜け道が存在しない状態となっていた。

読売によると、同府警の発表として、同店では事件後、(1)排煙のために設けられているはずのが、内側から石膏ボードで閉塞されていた、(2)通路の壁面に不燃材が不使用、(3)個室内に誘導灯など非常用照明が未設置……の3点の建築基準法上の不備が発覚。これを受け府警は、燃焼実験や関係者の事情聴取を何度も行い、死傷者が出たことへの影響を調べてきた。

読売・毎日によると、その結果、仮に、窓が塞がれておらず、壁に不燃材が使用されていたとしても、火災によって店内で発生する一酸化炭素濃度は変わらず、結果の重大性は変わらなかったと断定。個室内の非常用照明が未設置だったことについても、既に通路がで充満して、事実上塞がれた状態になっていたため、照明未設置が死傷者の発生に影響を及ぼしたとまでは言えず、ビデオ店経営者やビル所有者らが重大な結果回避義務を怠ったとまでは言えないと結論付けた。

朝日・毎日によると、この火災では、客として来店していた小川和弘被告(47歳)が、現住建造物等放火殺人などの罪で起訴された。小川被告に対しては、10月1日現在、大阪地裁公判が行われており、検察側は、客が巻き添えになることを知った上で、自殺目的で放火したと主張している。一方、小川被告は、当初は罪を認めていたが、その後は否認に転じ、無罪を主張している。

注釈

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