体操男子個人総合・内村航平選手が2連覇 - リオデジャネイロオリンピック6日目
【2016年8月11日】
8月5日(現地時間UTC-3)に開幕したリオデジャネイロオリンピックは、10日(現地時間)に6日目の競技が行われた。体操競技男子個人総合に出場している内村航平選手は、合計得点92.365点となり逆転の末、金メダルを獲得した。体操男子個人総合で2連覇を達成したのは、1968年のメキシコシティオリンピックと1972年のミュンヘンオリンピックに出場した加藤沢男選手以来44年振り、史上4人目[1]。内村選手は、予選では2位となっていたが、決勝ではゆか(15.766点[2])、あん馬(14.900点[2])、吊り輪(14.733点[2])と安定した演技を行ったのち[3]、跳馬(15.566点[2])、平行棒(15.600点[2])では高得点を決めていたが、オレグ・ベルニャエフ選手(ウクライナ)が0.9点差でトップに立っていた。最終種目の鉄棒で、内村選手は15.800点を決め、オレグ選手の最終種目の演技が14.800点に留まったため、0.099点差で内村選手が金メダルを獲得した[3]。
内村選手は試合後に、「競い合う展開となったが、最後の鉄棒次第だと思っていた。練習を信じて、着地だけは決めようと思っていた。これ以上ない演技ができ、最高の結果を出せて本当に幸せ」と語ったほか[3]、試合については「ベルニャエフ選手が絶対に良い出来でくることはわかっていたので、最終種目が勝負になると予想していた。鉄棒で自分の演技が出来、『これで負けたら悔いはない』と思った。最後の着地が勝負を分けたと思う。」と振り返った。またベルニャエフ選手については「すごいことをやってのけていて、自分の限界が見えた感じがする。次にやったら勝てないと思うし、次の体操を彼に引っ張ってほしい感じもする。」と述べた[4]。銀メダルを獲得したベルニャエフ選手は、メディアから内村選手に「(内村選手が)審判に好かれているのではないですか?」と質問されたことについて「スコアに対してはフェアで神聖なもの。航平さんはキャリアの中でいつも高い得点をとっている。それは無駄な質問だ。」と述べたほか、内村選手について「この伝説の人間と一緒に競い合えていることが嬉しい。世界で1番クールな人間だよ」と称賛した。銅メダルを獲得したマックス・ウィットロック選手(イギリス)も「大変素晴らしい。彼は皆のお手本です。今日の最後の鉄棒は言葉がない。」と述べ内村選手を称賛した[5]。
内村選手の地元・長崎県では、パブリックビューイングが開かれ、内村選手の父・和久さんなど約250人が集まった。内村選手が金メダルを獲得したことを受けて和久さんは、「最後まで分からずひやひやしていたが、よい演技で金メダルを取れたのは皆さんのおかげです。」とコメントした[3]。
情報源
編集- ↑ 共同通信 『内村、44年ぶり個人総合2連覇 体操・10日』 — 東京新聞, 2016年8月11日
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 『内村 鉄棒で奇跡の逆転!史上4人目の2連覇で団体との2冠達成』 — スポーツニッポン, 2016年8月11日
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 『体操男子個人総合 内村が金メダル 2連覇』 — 日本放送協会, 2016年8月11日
- ↑ 『内村 大舞台での個人総合は最後の可能性示唆』 — 日本放送協会, 2016年8月11日
- ↑ 『内村2連覇 会見で垣間見えた頂点を争った2人の友情 ベルニャエフ「無駄な質問だ!」』 — デイリースポーツ, 2016年8月11日
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