フェンシング男子・太田雄貴選手が現役引退を発表 - リオデジャネイロオリンピック3日目
【2016年8月8日】
8月5日(現地時間)に開幕したリオデジャネイロオリンピックは、7日(現地時間)に3日目の競技が行われた。フェンシング男子フルーレ個人に出場していた太田雄貴選手は2回戦でギリェルミ・トウド選手(ブラジル)に敗れた。試合は、点の奪い合いとなりトウド選手リードの場面で太田選手が連続で点を奪い13-12と一旦は逆転したものの、再び点を奪われ13-15で敗れた[1]。太田選手は試合後のインタビューで、「ここまで綺麗に初戦で敗れると未練ももうない。終わった瞬間すっきりした。」とコメントし、「フェンシング選手としての賞味期限は切れたのかなと改めて感じた」と現役引退の意向を示した[2]。
太田選手は、滋賀県出身で30歳[2]。小学3年生のときにフェンシングを始め、大学2年のときまでフェンシングの経験があった父・義昭さんの指南を受けていた[3]。これまでオリンピックには4大会連続で出場しており、2004年のアテネオリンピックが初出場だった。2008年の北京オリンピックでは日本の選手としては初めてフェンシング種目でメダルを獲得、2012年のロンドンオリンピックでは団体種目で銀メダルを獲得していたが、その後、2020年の東京オリンピック招致活動に関わるため一時引退していた[2]。2013年に現役復帰し、2015年には日本の選手としては初めて世界選手権で金メダルを獲得した[4]。
太田選手の現役引退の意向を受けて、ロンドンオリンピックで団体メンバーだった千田健太選手は、「まだ引退してほしくないと思っている。とりあえず、おつかれさまと言いたい。」と述べた上で、「(太田選手が)金メダル獲得へのプレッシャーがあった中で、実力を発揮できずに負けてしまった。相手にも研究されていた。」と複雑な気持ちを表した[5]。また、太田選手の父義昭さんは「今日の試合結果で太田選手自身が決めたことだろう。優勝してたら違ったかも知れない」とした上で、「今まで苦しいことがあっても、太田選手自身が好きでやってきたフェンシング。おつかれさまと言いたい。」とコメントした[3]。
情報源
編集- ↑ 『フェンシング 太田が2回戦で敗退』 — 日本放送協会, 2016年8月7日
- ↑ 2.0 2.1 2.2 『フェンシング 太田が現役引退の意向を表明』 — 日本放送協会, 2016年8月8日
- ↑ 3.0 3.1 『初戦敗退の太田 父親・義昭さん「本人が一番残念だろう」』 — 産経新聞, 2016年8月7日
- ↑ 『フェンシング太田、現役引退を表明 初戦で敗れる』 — 日本経済新聞, 2016年8月7日
- ↑ 『ロンドン団体銀の千田「引退してほしくない」 太田の引退惜しむ/フェンシング』 — サンケイスポーツ, 2016年8月7日