スーダン政府軍、国連機に偽装して住民を空爆か─ダルフール紛争
【2007年4月19日】
東京新聞などが報じたところによると、スーダン西部のダルフール紛争で、スーダン政府軍が軍用機を国際連合(国連)の航空機に偽装して、兵器の輸送や反政府派住民に対する爆撃などに使っていたことがわかった。18日の国際連合安全保障理事会スーダン制裁委員会の報告書で明らかになった。スーダン政府は否定している。
東京新聞によるとスーダン政府はアントノフ製の政府軍用機を白く塗装し、翼に「UN」(国連) と印刷して運用していた。国連の制裁監視委員が、ダルフール空港に駐機している機体を発見して明らかになった。機体の傍らには爆弾らしきものがあった。
報告書は、今年1月、3回行われた住民への爆撃が白いアントノフ機で行われたことに言及した上で、このような機体が兵器輸送のみならず爆撃などにも使われたとした。監視委員会はさらに白いヘリコプターの存在も確認している。
これを受け、潘基文事務総長は「立証されれば、明確な国際法違反」と懸念を表明した。
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出典
編集- 『偽装国連機で爆撃か=スーダン、決議違反の疑い−専門委報告』 — 時事通信, 2007年4月19日
- 石川保典 『国連機偽装し住民空爆 スーダン、国際法違反か』 — 東京新聞, 2007年4月19日