USEN、ライブドアとの業務提携正式発表される

【2006年3月17日】 3月15-17日の日本経済新聞、読売新聞、中国新聞、スポーツニッポンの報道によると、有線放送業界最大手のUSEN(ユーセン)は同日、同社の宇野康秀社長が個人で、フジテレビジョンが保有していたインターネット関連企業のライブドア株1億3,374万株全てを買い取ったうえで、ライブドアとの業務提携による経営支援を結ぶことを正式に発表した。

宇野社長の取得した株式は1株71円で、総計95億円弱となり、堀江貴文前社長(17.25%保有)に次いで第2位の大株主となる。またスポーツニッポンは、今後USENが堀江前社長の所有する株式についても買い取る可能性に言及している。

読売と中国新聞によると、USENはインターネットの無料放送サービスGyaO(ギャオ)を重点事業と位置づけているが、若者に人気のあるポータル(玄関)サイトを保有するライブドアとの業務提携を結ぶことで、インターネット事業の基盤強化などを進める狙いがある。

中国新聞によると、宇野社長は会見で「USENとライブドアの2社のサイトの利用者増加が期待できる」と相乗効果を訴えるとともに、ライブドアの平松庚三社長も「最も望んでいた」とコメントしている。

一方、ライブドア株を売却したフジテレビはその損失約345億円を2006年度3月期決算に特別損失として計上する。日枝久会長は「特別損失での経営責任はない」として、ライブドアに対し損害賠償請求を求めることを明らかにした。日枝会長は3月15日の会見で「この問題は長期化すべきではないほうがよい」と早急な株式の売却を進める考えを示したうえで「ライブドアとの事業に関連したIT関連企業などに売却をした方が株式を有効活用できるだろう」とコメントしていた。

また、朝日新聞によると、4月14日の上場廃止決定を受けて3月14日から整理ポスト銘柄に指定変更された東証マザーズ上場のライブドア株が指定変更後の2日間で19円も上昇し、15日の終値は85円だった。一時は93円まで値を付けた。USENの経営支援の具体化による将来への期待が要因という見方もある。一方のUSENは、16日、前日比170円安の2,680円と値下がりした。

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