関西テレビ「あるある大事典II」の放送打ち切り
【2007年1月23日】 読売新聞によると、関西テレビは納豆のダイエット効果を取り上げた番組で捏造が行われていた「発掘!あるある大事典II」の放送を打ち切る方針を固め、1月23日正式決定した。
これは1月7日に放送された同番組で、アメリカの大学教授がホルモンの一種であるDEHAにダイエット効果があり、その原料にイソフラボンが含有する納豆を取り上げて、視聴者8人に実験をした結果体重が減量したことを紹介した。しかし、実験者の数値測定をしていなかったことや研究内容の発表者が別の教授であったことなど、事実に反する問題が数多く発覚した。
このようなデータの捏造問題で放送が打ち切りとなるのは2005年に花粉症をテーマに放送したテレビ東京の番組「教えて!ウルトラ実験隊」以来で、いずれも日本テレワークが製作に関わっていた。同社は「重大な社会的責任を痛感している」と謝罪する文章を提出している。
デイリースポーツによると、1月23日の関西テレビの会見で、千草宗一郎社長の役員報酬の30%削減3ヶ月を始め役員3人の報酬カットや、製作局長の解職を始めとした番組関係者6人に対する解職や譴責などの処分を行った。また番組の携帯電話の有料サイトについても1月一杯でサービスを中止することにし、1月の会費は利用した会員に返還するとしている。また1月28日の同番組放送予定時間には「スタ☆メン」を繰り上げて放送開始する。
スポーツ報知によると、関西テレビは1月21日の謝罪放送に加え、22日もローカル番組で経緯説明放送を行い、視聴者からも「番組を終了すべき」「もうテレビ番組を信じません」といった苦情を紹介していた。また、21日までにFNS系列各局にも5,000件以上の苦情の電話・メールが届いたことを伝えている。
また北海道新聞とスポーツ報知によると、この捏造事件を受けて番組を単独提供していた化学品メーカーの花王は1月22日、スポンサーを降板することを明らかにしていた。スポーツ報知によると花王は「常日頃からスポンサーとして信頼ある番組を要望しただけに極めて遺憾」とし、今後同番組が放送されていた日曜午後9時台の番組提供についても未定であることを明らかにした。同時間帯の関西テレビ発の番組は1979年に放送開始した「花王名人劇場」以来27年間にわたって提供し続けていた。
関連記事
出典
- 『視聴者の皆様へ「発掘!あるある大事典II」の打ち切りについて』 — 関西テレビ放送, 2007年1月23日
- YOMIURI ONLINEエンタメ 『「あるある大事典」打ち切り、きょうにも発表』 — 読売新聞, 2007年1月23日
- YOMIURI ONLINE医療と介護 『「納豆で減量」実験捏造…フジ系「あるある大事典」』 — 読売新聞, 2007年1月22日
- 『「あるある」打ち切りへ 花王がスポンサー降板』 — 北海道新聞, 2007年1月22日
- 『「あるある」打ち切りへ…花王がスポンサー降板』 — スポーツ報知, 2007年1月23日
- デイリースポーツonline 『関テレ10人処分、社長は減俸』 — デイリースポーツ, 2007年1月23日