英ガーディアン紙特派員、イラクで行方不明に

【2005年10月20日】

英ガーディアン紙の特派員でアイルランド国籍のローリー・キャロル氏(33)が、19日行方不明になった。誘拐が懸念されている。アルジャジーラなどが伝えた。

キャロル氏は、19日、バグダード市内の自宅から、フセイン元大統領裁判の初公判についての市民の反応を取材にいったまま、行方不明になった。ガーディアンではキャロル氏が誘拐されたとし、20日の一面で解放を呼びかける記事を掲載した。アイルランド政府は対応を急いでいる。

今年1月にイラクに赴任する以前、キャロル特派員は、ガーディアン紙のアフリカ駐在員を務めていた。アフリカでは、赤道ギニア政府に対するイギリスと南アフリカの傭兵によるクーデター計画の疑いをスクープするなど、数々の優れた記事を発表してきた。

キャロル特派員は、先月、イラクで活動する記者の直面する危険を取り上げる記事を書いた。記事はとりわけイラクの地元記者の危険に焦点を当てていた。また今週、キャロル特派員が書いた記事は、米空軍の空爆が多くの女性や子どもを殺害しているという非難を取り上げていた。ガーディアンは左翼よりの新聞で、イラク戦争には反対しており、英米政府主導の占領に反対してきた。現在、ガーディアンでは、キャロル特派員の居所について確認を急いでいる。

ニューヨークに本拠を置く国際的な記者の団体、「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ)では、キャロル特派員を直ちに解放するよう声明を出した。

CPJによれば、2003年4月以降、イラクでは34人の記者が誘拐されている。そのうち6人を除く全員は、無事解放されている。アルジャジーラによれば、2003年3月のイラク戦争開始後、イラクでは220人以上の外国人が誘拐され、そのうちほぼ40人が殺害されている。アルジャジーラは「国境なき記者団」の調べでは記者とアシスタントをあわせ72人が殺害されていると伝えている。

英語版ウィキニュースからの翻訳を含みます。

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