狭山事件の再審を求める全国集会行われる―地元で初めて

【2005年10月30日】

全国から3000人を集めての集会(狭山市駅西口広場)

30日、埼玉県狭山市狭山事件の再審を求める集会が、狭山市の市役所・西武新宿線狭山市駅近くの旧入間川小学校跡地で行われた。

狭山事件は1963年5月1日に狭山市で発生した殺人事件。犯人として逮捕された男性、石川一雄氏ははじめ死刑を言い渡され、最高裁で無期懲役が確定した。犯人からの脅迫状以外に物証がなく、部落差別に基づく冤罪であると公判中から指摘され、最高裁で刑が確定した後も、多年にわたり部落開放同盟を中心とする支援者とともに再審請求を続けている。

原審の東京高裁で脅迫状の鑑定を行った国語学者の大野晋氏は、脅迫状と、石川氏が警察署でこの脅迫状を書き写したものを比較し、両者の「書字能力の間には顕著な、基本的な相違がある」とし、この事件は冤罪であると論証した。

30日の集会は、2006年5月に予定している狭山事件の第3次再審請求の東京高等裁判所への提起に向けて、この取り組みを支援し「再審開始決定を勝ち取ろう」という目的で「狭山事件の再審を求める市民集会実行委員会」の主催で各地の部落解放同盟及び共闘団体の参加のもと行われた。これまで全国規模の集会は東京などで行われてきたが、現地での集会はこれが初めて。

また、この日は、11時から市民の会により当時の捜査箇所の現地調査が、15時からデモ行進も実施され、主催者の発表では、およそ3000人が参加した。

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