この記事でははじめ、株式を購入した会社を「M&Aコンサルティング」としましたが、実際には購入したのは「M&Aコンサルティング」の関連会社「MACアセットマネジメント」でした。お詫びして訂正いたします。


【2005年10月6日】

旧通産省OBの村上世彰氏率いるMACアセットマネジメント(通称・村上ファンド)が阪神電気鉄道の株式を買い増し、持株比率が38.1%に達したことが10月3日、関東財務局に提出した株式の大量保有報告書で明らかになった。

持ち分比率が3分の1を超え特別決議の拒否権を持ったため、阪神タイガースや阪神百貨店などの完全子会社を含むグループの経営の行方が注目される。

読売新聞によれば、取得金額は936億4740万円。10月1日に阪神電鉄がグループ企業の阪神百貨店を完全子会社し、株式を交換したことで、村上ファンドがもつ阪神電鉄の持ち株比率が38.1%に達した。朝日新聞などによれば、公開されている村上ファンドの投資額としてはこれまで最高額を投資した。

9月27日に、村上ファンドが阪神株の26%を取得し筆頭株主となっていることが判明し、グループの阪神タイガースのセリーグ優勝とも重なり、注目されていた。

報道によれば、村上ファンド側は純粋な投資であるとしている。また投資の理由については、3日コメントを出し「保有資産や事業業績に比して株価が低位にとどまっている会社」(読売、朝日)への投資であると説明した。村上ファンドは基本的に株式を保有する会社への経営への参加を行っておらず、今回も経営への参加の意図はないとしている。村上ファンドでは、これまで株式を保有する会社に、増配などを求めてきた。3日付のコメントでも、阪神電鉄に対し「株主価値向上」(読売)を期待するとし、今後、阪神電鉄側に何らかの対応を求めることも考えられる。

一方、阪神電鉄側は、村上ファンド側が特別決議の拒否権を握ったことに困惑を表明している。また、広報室が「対応の必要性は認識している」(朝日)、西川恭爾社長が「会社の存亡にかかわる」(朝日)と述べるなど、危機感を示す一方、今後の対応については具体的な言及をしなかった。

毎日新聞によれば、国土交通省鉄道局幹部は「経営や運行に支障が出る場合には対応を考える」とコメントしている。

「タイガース」上場を提案

10月5日の報道によれば、村上ファンド側が子会社のプロ野球球団「阪神タイガース」を数年以内に大阪証券取引所の新興企業向け市場「ヘラクレス市場」へ上場させるよう提案していたことが判明した。

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