岩国市住民投票、移駐反対が9割近くに

【2006年3月13日】

票の内訳
反対
87.42%

賛成
10.81%
無効
1.77%

投票総数
49682票
移駐が計画されているF/A-18ホーネット(資料)

アメリカ海軍厚木基地からアメリカ海兵隊岩国基地への航空母艦艦載機部隊移駐計画の是非を問う山口県岩国市の住民投票が3月12日実施された。中国新聞によると開票された結果、投票率は58.68%で、反対が87.42%、賛成が10.81%と、反対が9割近くに達した。

毎日新聞、朝日新聞によれば、同市の住民投票条例では投票率が50%未満の場合は開票されないことになっている。このため、「住民投票に反対する会」や移駐受け入れ派の一部などは投票を棄権するよう呼びかけた一方、投票を呼びかける活動も活発に行われるなど、投票率が50%を超えるかどうかが問題となった。

開票結果を受けて同市の井原勝介市長は会見し、移転の白紙撤回を国に求めることを表明し、16日にも東京に向かう見込み。ただ、周辺市町村との合併により現市長は今月19日までで失職し、4月に新市長選が行われる。この新市長選挙では住民投票へと持ち込んだ市長の行動が問われることは確実で、当選する新市長も国と地元の意見や方針をうまく調整していけるかが問われそうだという。

朝日新聞によると、山口県は移駐受け入れに伴う振興策を見込んで賛成にまわりつつあるほか、岩国市の商工会議所も振興策をめぐって霞ヶ関を回る方針。一方桑原敏幸岩国市議会議長は、結果は尊重するものの白紙撤回は不可能ではないかとしたほか、「住民投票に反対する会」の広瀬嘉道会長も市長の今後の動向を注視していく考え。

読売新聞によると、額賀福志郎防衛庁長官は今回の結果に関して、移駐は日本の安全保障の点などから必要なものであり、地元の理解を求めていくと述べた。日本政府は今回の結果を受けた在日米軍再編最終報告の変更は行わないとしているものの、毎日によれば岩国市と同じように在日米軍再編の対象となる自治体への影響することもありうるという。


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