小泉首相、靖国神社の秋季例大祭初日に参拝

【2005年10月17日】

日本の小泉純一郎首相が、17日午前10時過ぎ、靖国神社を参拝した。

NHKの映像によれば、小泉首相は黒のスーツを着用、拝殿の前で手をあわせて深く頭を下げ、しばしそのままで黙祷し、参拝をすませた。神道の礼拝の型である拍手を打つなどの所作は行わなかった。またNHKによれば、例年と違い、記帳も「献花料」をおさめることもしなかった。

首相は年に1度の頻度で参拝しているが、北海道新聞によればこの日を選んだのはこれまでの多くの首相が例大祭に参拝しているのが理由とみられる。NHKによれば首相側は公式なものではないとしている。

日本遺族会会長の、自民党の古賀誠・元幹事長は、「秋季例大祭の初日に参拝していただくということは、全国の戦没者の遺族、また遺族会にとって、たいへん喜ばしい。遺族会として、8月15日の終戦の日の参拝にこだわっているわけではない」と述べた。

また産経新聞並びにジャパンタイムスによる共同通信によると、台湾の李登輝前総統はニューヨークで、参拝について「それはよかった」「首相が、国のためにその命を落とした人々の魂を記念するのは当然のこと」と共同通信の質問に答えて語った。

いっぽう、NHKによれば、先月30日に憲法違反の判断が出た大阪高等裁判所の訴訟で原告側の弁護にあたった中島光孝弁護士は、「憲法を無視し原告らの心情を踏みにじるものだ」と述べた。

人民日報並びに共同—産経新聞によると、中華人民共和国の王毅駐日大使は「中国政府は小泉首相が、靖国神社をいかなる時にいかなる形で参拝することにも、断固として反対する」と述べた。

朝鮮日報によると大韓民国の潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官は大島正太郎・駐韓日本大使に対し、「靖国神社に参拜しないよう何回にわたり要請したにも関わらず、参拝を強行したことに深い遺憾と失望を禁じえない」「韓国政府は挫折感さえ覚えている」と述べた。

共同通信によると、在中国日本大使館は、中国にいる日本人に対し、「中国政府と民衆から強い反応が示されることもあり得る」として、報道や外務省の情報に注意をするように呼びかけた。

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