宅建業法違反容疑でヒューザーの立件を検討

【2006年1月2日】

最も耐震強度が低いと指摘されたグランドステージ藤沢(参考)

時事通信と読売新聞の報道によると、12月31日に構造計算書偽造問題で警視庁などの合同捜査本部が東京都千代田区のマンション業者・ヒューザー(小嶋進社長)と同社関係者を宅地建物取引業法(宅建業法)・建築基準法建設業法違反容疑で立件する方向で検討を始めた。

読売新聞によると、警視庁千葉県警神奈川県警の合同捜査本部は早くて1月中旬頃に、関係者の一斉参考人聴取を行う方針を固めた。捜査本部は、設計、施工、販売などの各業者が関与した組織的な偽装行為の可能性もあるとして、詐欺罪の適用も検討している。しかし、これまでの捜査では姉歯秀次・元一級建築士(48)以外に偽装を知っていた業者が特定できていないため、個々の法令違反の摘発を先行させる。しかし時事通信によると、ヒューザーは姉歯元建築士の偽装を認識していながら、強度不足のマンションの売買契約を結んでいた可能性があるため、捜査本部は関係者の事情聴取や押収資料の分析を行った上で慎重に捜査を進める方針。

一方、読売新聞によると、国は解体が決定したマンションの居住者を支援する目的で支出した公費を回収するため、各居住者が建築主のヒューザーなどに対して持つ損害賠償請求権の一部を譲り受けることを決し、近く居住者との協議に入ることが明らかになった。損害賠償請求権の一部の譲渡を受けるのは、姉歯元建築士が設計し、ヒューザーが販売した分譲マンション10件の居住者。いずれのマンションも強度が偽装されており、震度5強程度の地震で倒壊の恐れがあるとされている。国土交通省では、最終的に20件程が対象になるのではないかと見ている。

また、中国新聞によると、国土交通省は12月30日、新たに鹿児島県霧島市のホテル「サンホテル国分」で姉歯元建築士による強度偽造が確認されたと発表した。これにより、強度が偽造された物件は千葉県神奈川県など18都府県の計89件となった。なお、サンホテル国分は12月27日から休業している。

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