北海道人事委員会、君が代の演奏を止めた教諭の処分を取り消し

【2006年10月23日】

北海道人事委員会は23日までに、北海道倶知安町の町立中学校で2001年に行われた卒業式で君が代の演奏を止めたことが式の円滑な遂行を妨げたとして戒告処分を受けた教諭の処分を取り消す裁決を通知した。

北海道新聞によれば、教諭が2001年9月に処分取り消しを求めて人事委員会に申し立てていた。

毎日新聞によれば、この卒業式の式次第には、国歌斉唱の項目がなかった。しかし、校長が当日、君が代のテープをカセット装置から流したため、この教諭がテープを止め、斉唱を妨害した。

裁決では、「強制は教職員の思想、良心への侵害であり許されない」とし「式については生徒や保護者にも意見表明の機会が与えられるべきであるにもかかわらずそれを行わなかったのは児童の権利に関する条約に反する」とした。また、方針の決定が予めなされていなかったことは校長の重大な瑕疵であるとした。一方で、演奏の停止による混乱が一時的だったことに比して処分が重すぎ、処分は「裁量権の逸脱」であるとして処分を取り消した。

また、学習指導要領については「その法的拘束力は否定せざるを得ない」とした。

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