ロシア、拿捕漁船の乗組員2人を解放

【2006年8月31日】

根室半島(GFDL資料、ランドサット画像)

読売新聞によると、ロシアは30日午後、領海侵犯と密漁の疑いで拿捕していた根室市の漁船「第31吉進丸」の船長を除く乗組員2人を2週間ぶりに解放し、日本側へ引き渡した。

開放されたのは甲板員の川村昭允さん (29) と紙屋春樹さん (25) (両氏とも根室市在住)で、北海道の漁業取締船「北王丸」によって同日午後6時30分ごろ花咲港へ戻り、自宅へ帰って14日ぶりに家族と対面した。

船長の坂下登さん (59) はいまだロシア側に拘束されたままで、日本政府は引き続き解放を要請する。埼玉新聞によると、ロシアの検察当局は9月7日までに同船長を起訴する方針となっており、船体と共に引渡しのめどは立っていない。

同船は16日北方領土貝殻島周辺海域でロシアの国境警備隊から銃撃を受け、拿捕されている。銃撃により乗組員1人が死亡しており、一連の事件を日本側はあらためて強く抗議した。

北海道新聞によると、ロシア側は事件に遺憾の意を示す一方で、「国内法に基づき、正当に権限を行使した」とこれまでと同様の見解を示した。またモスクワタイムズによると同30日、モスクワではラブロフ外相が、「ロシア領海」内での密漁をしないよう監視することを日本の金田外務副大臣に求めた。

朝日新聞によると乗組員2人はロシア側警備局のボートの存在に気付いた直後に銃撃を受けたとしており、両国の実効支配地の中間ラインを越えて操業していたのかどうかは「わからない」としている。

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