根室沖で漁船が銃撃を受け、拿捕

【2006年8月16日】

現場周辺の地図(資料)

朝日新聞、日本経済新聞などによれば、16日朝(UTC+9)、ロシア国境警備局警備艇が北海道根室市の漁船「第31吉進丸」(根室湾中部漁協所属)を貝殻島付近の海域で銃撃し、拿捕した。銃撃により漁船の乗組員4人の内、1人が死亡したという。

朝日新聞によれば、この情報は根室湾中部漁協から根室海上保安部に入った情報によるもので、根室湾中部漁協へは午前6時前頃に同漁船の乗組員からの携帯電話で連絡があったという。この漁船は16日午前0時頃に根室市の花咲港を出港しており、午前0時より午前6時までの間に銃撃された模様。なお日経によれば、ロシア連邦保安庁サハリン沿岸国境警備局は第一管区保安本部からの問合せで、漁船の拿捕と乗組員3名の拘束と連行、乗組員1名の死亡を認めたという。

朝日新聞によれば現場となった海域はロシアの主張する領海の境界線に近く、ロシア領海内で全面禁止とされているカニ漁を行っていたとみられる。警備局は、威嚇射撃を行ったところ、ゴムボートからの射撃であったために偶然命中してしまったとしている。

麻生太郎外相は16日、ロシアのガルージン駐日臨時代理大使に対し、日本の領海内でおきた事件であるとして抗議した。大使は、「不幸な事件であり、遺族に弔意を伝えたい」と答えた。

モスクワタイムズによると、日本の外務省は吉進丸が日本の領海内にあったと主張する一方、ロシア当局は同船がロシアの領海内にあったとしている。

北海道新聞によれば、北海道が1998年に設定した操業自粛ラインである「調整規則ライン」を超えた密漁であった可能性を日本政府が認めた。

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