シリア・カナン内相が自殺

【2005年10月13日】

シリアのガジ・カナン内相が12日自殺したとシリアの国営通信社SANAが同日伝えた。自殺は大きな議論を呼び起こしており、中東専門家のなかにはカナン内相がスケープゴートとして殺されたと示唆する者もいる。

カナン内相は、2週間前、国連調査官から聴取を受けていた。レバノンラフィーク・ハリーリー(ラフィク・ハリリ)元首相の暗殺事件にシリア政府が関与した疑いがあり、そのための聴取だった。ハリーリー元首相は今年2月14日、爆破による暗殺で死亡した。ベイルートのセント・ジョージ・ホテルを車で通過しようとしたときに、1トンのTNT火薬相当の爆発があり、元首相を含む20人が死亡した。シリアのバッシャール・アル=アサド大統領はCNNのインタビューで、ハリーリー元首相の死にシリアは関与していないと主張した。もしシリア国民が関与しているというなら、それは裏切り者とみなされるべきであり、厳罰に処せられるべきである」と大統領は語った。

SANA通信は「内相は執務室で自殺を試み、(現地時間の)今日の午後亡くなった。当局は事件について捜査中である」と伝えた。また自殺の方法について、口腔内に銃を撃ったと伝えた。

当日、自殺の前に、カナン内相はレバノンのラジオ放送局「レバノンの声」に電話で出演し、故ハリーリー元首相からカナン内相に支払われた小切手を国連検査官に対して見せたという説を否定した。またこの発言を「私の最後の発言」と形容した。

今年年頭にシリア軍が撤退するまで、レバノンは実質的にシリアに支配されており、カナン内相はレバノンにおけるシリアの諜報部門の司令官として長年にわたり指導力を発揮していた。カナン内相は2002年シリアに帰国し、2004年から内相として閣僚となった。

国連によるハリーリー元首相暗殺の調査報告書は10月末に出る予定である。国連のデトレフ・ミーリス調査官は、9月末にダマスカスでシリア政府高官に対し尋問を行った。アメリカ合衆国は、カナン内相がレバノンでのテロを援助しているとして、7月以降カナン内相の在米資産を凍結していた。

カナン内相の死は他の暗殺関係者を守るために計画されたことだとする観測が出ている。それによると、他の関係者に対する行動に先立ち、自殺することで、国連報告書を延期させることを狙ったと考えられている。

英語版ウィキニュースからの翻訳です。


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  • 2005年○月○日。