レバノン、前首相暗殺事件で4人を逮捕

【2005年9月5日】 今年2月におきたラフィーク・ハリーリーレバノン首相の暗殺事件に関して、レバノン司法当局は、9月3日、国連調査団の要請で身柄を拘束されていた元治安当局者4人を正式に逮捕した。産経新聞によれば、逮捕されたのは、3人の治安・警備当局元幹部と大統領府の警備責任者の計4人。中国国際放送局によれば、これに先立って、2日、メルザ検察総長がこの4人を正式に逮捕・起訴すると発表していた。

逮捕された4人は親シリア派と報道されており、読売新聞はうち一人がエミール・ラフード・レバノン大統領の側近であるとしている。「フォーリン・アフェアーズ日本語版」のサイトによれば、ハリーリー元首相は、親シリア派のラフード大統領の任期延長にシリアが介入したことに反発し、辞任していた。

8月30日の読売新聞によれば、30日、ジャミール・サイイド元内務省総合治安局長を含む前治安当局者3人とアドナン・アドゥーム元法相が身柄を拘束されていた。読売によれば、事件には当初から反シリア派が彼らの関与を指摘し、4人はそのために5月から6月にかけて辞任していた。またCNNによれば3人の他にも複数の人物が身柄を拘束されていた。朝日新聞によれば、レバノン国軍の元情報局長が30日に拘束された3人のうちに含まれており、他に現職の共和国警護隊長が出頭を求められた。

シリアは事件への関与を否定している。またロイターは、国連調査団のデトレフ・メフリス(メーリス)団長が10日にシリアを訪問するとシリアの外務省筋が3日明らかにしたと報じた。また読売は、シリアのメクダド国連大使が、メフリス団長をシリアに招く意向を明らかにしたと伝えた。

朝日新聞によれば、国連調査団は欧米を中心に各国の警察関係者が加わり、捜査を行っている。メフリス団長はドイツ出身。日本は8月25日に警視庁鑑識課から3人を派遣することを政府が発表している。毎日新聞によればこれは、テロ事件の捜査のために国連の国際捜査に日本の警察から派遣される初めてのケースである。

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