イタリア経済相にトレモンティ副首相

【2005年9月23日】 共同通信などによると、22日(欧州中央夏時間、UTC+2)午後、イタリアのカルロ・アツェリオ・チャンピ大統領がドメニコ・シニスカルロ経済相の後任にジュリオ・トレモンティ副首相を任命した。トレモンティ副首相は2004年7月まで同職にあった。このときには連立与党内の反対およびアントニオ・ファツィオ伊中央銀行総裁との衝突から辞任したとANSA通信は伝えている。

ANSA通信によれば、シルヴィオ・ベルルスコーニ伊首相は記者会見を開き、トレモンティ経済相の任命やファツィオ総裁の去就について触れた。ベルルスコーニ首相は、任命の前に連立与党の緊急会議を開き、満場一致でトレモンティ副首相の就任が承認されたと述べた。

ベルルスコーニ首相は、ファツィオ総裁の留任がイタリアの経済的な信頼性を損なっているため、ファツィオ総裁は辞任すべきだと考えると、記者会見で述べた。辞任問題について、ベルルスコーニ首相はこれまで態度を明らかにせず、マスコミやシニスカルロ経済相を含む一部政治家から、ファツィオ総裁を擁護していると非難されていた。23日のAGI通信などによれば、ベルルスコーニ首相は、22日夜に放送されたテレビ番組「ポルタ・ア・ポルタ」に出演し、インタビューに答えて「政府には中央総裁銀行の解任はできない。それができるのは欧州中央銀行(ECB)だけだ」「総裁が辞任を決断できることを望む」などと語った。

23日のAGI通信は、ロベルト・カステッリ法相の発言を伝えている。カステッリ法相は、「われわれの(ファツィオ総裁に対する)態度はずっと明らかだ」と述べ、一連の報道に不快感を示した。また、ファツィオ総裁が政治的陰謀にさらされているとの見方を示した。

またベルルスコーニ首相は、記者会見の席上で、トレモンティ副首相がワシントンでのG7会合および国際通貨基金会議にイタリア代表として出席するため、渡米すると伝えた。この会議にはファツィオ総裁も出席する。

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