アブラハミアン選手が失格 - 表彰式中に銅メダルを床へ : 北京五輪・レスリング

【2008年8月16日】

北京五輪レスリングの男子グレコローマン84㎏級 (8月14日 UTC+8) で銅メダルを獲得したアラ・アブラハミアン選手(スウェーデン)に対して国際オリンピック委員会 (IOC) は8月16日、アブラハミアン選手を失格・メダル剥奪にすることを決めた。これに伴う順位変更はない。CNNの報道で分かった。

それによると、アブラハミアン選手はこの大会の準決勝でアンドレア・ミングッツィー選手 (イタリア) と対戦し判定負けを喫したが、その際の判定に対してアブラハミアン選手が激怒し、審判に抗議。3位決定戦に出場はしたが、試合後の表彰式で怒りをぶちまけた。IOCは、同級の他の選手に対する侮辱行為、ならびに政治的抗議行動に等しいと断定して今回の決定をしたという。この際に投げたとされる銅メダルはその後主催者側に戻された。なお、ミングッツィー選手はこの階級で優勝し、金メダルを獲得している。

IOCの公式ウェブサイトによると、IOCの規律委員会(トーマス・バッハ議長)は8月15日(UTC+8)、北京五輪で行われた男子グレコローマン84㎏級の表彰式で同選手がとった行動に対して、同選手を同種目の失格・同大会への除外することなどとともに、国際レスリング連盟(FILA)へ銅メダルの返還などを要請することをIOC理事会に勧告していた。

この勧告内容によると、問題とされた行為は、アブラハミアン選手が表彰式の行われている最中に表彰台から降り、受け取った銅メダルを床に置いたという。

日経新聞やCNNのサイトではこの同選手の行動を「投げ捨て」との表現を用いて、それぞれ16日付の記事で報じた。

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