みずほ証券、大量誤発注で巨額損失

【2005年12月9日】

東京証券取引所(資料)

12月9日の報道各社によると、12月8日(日本時間、UTC+9)に東京証券取引所マザーズに新規上場した人材派遣業・ジェイコムの株取引で、みずほ証券が誤って発行済み株式1万4,500株の約40倍に当たる61万株を、1株1円で売り注文を出すという大規模な発注ミスを行ったと報じた。これにより、8日は株式市場全体が急落する混乱を引き起こし、日経平均株価の下げ幅は今年3番目となる301円30銭となった。

みずほ証券は8日深夜に会見を行い、福田真社長が誤発注に至った経緯などを初めて説明した。各社の報道によると、午前9時27分にみずほ証券の営業職員が、「1株61万円」の売り注文と本来入力すべきところを、誤って「61万株1円」と入力。その1分25秒後にアシスタントが誤入力に気づき、取消しの手続きを数度取ったが、東証のシステムに取消しが認識されなかった。東証及びみずほ証券では取消し作業の手順が食い違っていたためと見ている。その後、61万株の誤発注が全て約定した。結果的に所持していない株式を売却した形となり、これを買い戻す必要が生じたため、9時37分から自己勘定による反対売買を始めた。この結果、大部分を買い戻したとみずほ証券側は説明している。この誤発注によるみずほ証券の損失は、8日現在、売値よりも高値での買い戻しの影響で270億円に達した。今後、ジェイコム株の値動き次第では、更に買い戻し額が膨らみ、最終的な損失が300億円を超える可能性もあるとしている。

サンケイスポーツおよび東京新聞によると、ジェイコムの公開株式は発行済み株式1万4,500株の内、3,000株しかない。公開価格は61万円で、初値は67万2,000円だったが、午前中の大量誤発注によってストップ安の57万2,000円にまで急落。その後、買い戻されて今度はストップ高の77万2,000円まで高騰するなるなど乱高下した。結局、8日のジェイコム株はストップ高で取引終了した。

また、朝日新聞によると、みずほ証券は事態の収拾策として市場で買い入れする方針を示したが、東証は大量の買い注文などによって株価の乱高下を招く恐れがあるとして、9日から一時的にジェイコム株を売買停止とした。

読売新聞によると、ジェイコムの発行済み株式総数1万4,500株の約7倍・公開株式総数3,000株の約33倍にあたる約10万株に買い手が付いたとみられるため、みずほ証券が決済日である13日までに買い手に株券を渡すのは不可能である。そのため、取得価格に一定金額を上乗せした金額を公的機関である日本証券クリアリング機構が決め、その金額を13日までに支払う方向で最終調整に入った。

東京新聞によると、金融庁は行政処分を視野に原因究明に乗り出す方針だ。

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