【2011年12月20日】

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ウィキペディアWinnyに関する記事があります。
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ウィキペディア金子勇に関する記事があります。

毎日新聞読売新聞によると、ファイル共有ソフト・「Winny(ウィニー)」を開発・公開し、インターネット上で映画などの違法コピーを手助けしたとして、著作権法違反の幇助罪に問われた元東京大学大学院助手プログラマー金子勇被告(41歳)に対し、最高裁第三小法廷岡部喜代子裁判長)は12月19日UTC+9)付で、検察側の上告棄却する決定を出した。

毎日新聞によると、これにより、罰金150万円とした一審判決を破棄し逆転無罪とした二審大阪高裁判決(2009年10月)が確定することになる。

読売新聞によると、岡部裁判長は、開発者がネット上でソフトウェアを提供する行為について幇助罪が成立するケースは、侵害目的で使用されることを具体的に認識しているか、該当のソフトを多数の人物が違法に利用する可能性が高いと被告が認識している場合のみに限られるとの初判断を示した。今回の決定は、裁判官5人のうち4人の多数意見。一方で、大谷剛彦裁判官は、幇助罪が成立するとして、二審の無罪判決の破棄を求め反対意見を述べた。

読売新聞によると、金子被告は、自ら開発した「Winny」をホームページ上で提供し、これによって、男性2人がゲームソフトなどをネット上に公開するなどの著作権侵害行為を手助けしたとして、逮捕起訴された。

毎日新聞によると、一審・京都地裁2006年12月に、「著作権侵害に利用されると認容した上で公開した」として有罪判決を出したが、二審は「被告は違法な使用を勧めての提供は行なっていない」として無罪とした。

毎日新聞によると、小法廷は、幇助罪の成立を限定的に解釈した二審判決について「法解釈を誤っている」と指摘し、適法目的にも違法目的にも利用可能な「Winny」を中立価値のソフトであるとした上で、「入手者の中で例外的と言えない範囲の人物が著作権侵害に使用する可能性を認容し、提供した場合に限って幇助に該当する」との初判断を示した。その上で、金子被告については、「Winny」が著作権侵害目的で利用される可能性が増えてきたと認識しつつも、利用者の4割程度に拡大するとまでは認識していなかったとして、幇助の故意は無かったと結論付けた。この点については、違法なファイルの遣り取りを行なわないよう注意書きを付記していた点なども考慮した。

毎日新聞によると、ネット上でのソフト提供行為について刑罰刑事罰を適用することに対し、開発者は「萎縮効果を生む」などと反論してきているが、今回の決定は捜査当局に対し一定の制限を掛けたと考えられる。

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