NOVA元社長ら業務上横領で逮捕

【2008年6月26日】

NOVA大正校があったビル (大阪市大正区、現在は廃校) (参考資料、2007年撮影、GFDL)

読売新聞と、東京新聞によると、英会話学校のNOVA(ノヴァ)の社員の福利厚生のための積立金およそ3億2000万円を無断で流用した事件で、大阪府警捜査二課は6月24日、猿橋(さはし)望元社長(56歳)と、当時経理担当の村田利彦元次長(49歳)の2人の容疑者業務上横領の疑いで逮捕し、大阪市のNOVAの旧統括本部などの関係箇所を捜索した。猿橋容疑者は一部容疑を否認しているが、村田容疑者は容疑を認めている。

東京新聞によると、猿橋元社長らは2007年7月20日にNOVA社員の福利厚生用の「社友会」に積み立てられたおよそ3億2000万円のほぼ全てを猿橋元社長がオーナー・村田元次長が社長を務めるノヴァ企画社の口座に移して横領を行った。この後同日中に受講生の解約返還金に使われたという。当時NOVAは経済産業省から業務の一部停止命令(2007年6月)を受けて受講生から解約が殺到し、今回の事件があった2007年7月20日は5億3000万円の返還金の支払いの締切日であった。

また、朝日新聞によると、この事件の直後の2007年8月の時点で解約した受講生に対して払わねばいけなかった返還金総額が36億8700万円になっていたことが、NOVAの内部資料から明らかにされた。この資料は2007年8月の半ばごろ製作され、返還滞納の未払い金額は2007年6月が5200万円、7月が4億2600万円、8月は1億5400万円、更に10月までに30億5500万円を返還しなければいけなかったという。こうした返還金の急激な増加に、猿橋元社長が「社有会」の積立金を解約者への返金にあてたものとみて経緯を調べている。

朝日新聞の別の記事によると、猿橋元社長は2007年6月10日ごろ、受講生の返還金の支払いをやめるように経理担当者に指示していたことも大阪府警の調べでわかった。府警の調べによれば、その指示を受けて担当者は実際に返還金の支払いを先延ばしにしていた他、NOVAの上層部から「給料さえ支払えばいい。後は支払わなくても何とかなる」と指示していた。

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