FIFA会長の側近 チケット不正取引の疑いで無期限の活動停止処分
【2015年9月18日】
FIFA(国際サッカー連盟)は9月17日をもって、ブラッター会長の側近であるジェローム・バルク[注釈 1]事務局長を無期限の停職処分とした[1]。
バルク事務局長を停職に処した理由として、「2014 FIFAワールドカップ」のチケット販売においてバルク事務局長が不正取引を行おうとした事実があったとして[2]、チケット販売会社の関係者とイスラエル出身のかつてのサッカー選手からの双方により告発されたことによる[1]。
不正取引の内容は、バルク事務局長が「2014 FIFAワールドカップ」のチケットに対し元値へ3倍から4倍の水増し価格を上乗せして販売しようと画策した事実である[3]。イギリスの新聞であるガーディアン紙の電子版によると、サンパウロで決勝トーナメントが行われた際、元値が230ドル(日本円で約2万8000円)のチケット50枚に対して1300ドル(日本円で約16万円)に価格を上乗せさせようとしたという[4]。また1次リーグのドイツ戦でも、190ドル(日本円で約2万3000円)のチケット600枚が3倍の価格で販売される算段であったという[4]。この不正取引の情報はチケット販売委託会社の幹部がやりとりした電子メールにより判明した[4]。一方で、不正取引に関与したとされるイスラエル出身のかつてのサッカー選手はスイスで行われた記者会見の中で、実際にはこの取引は実施されなかったと証言している[5]。
なお今回持ち上がったチケット不正取引の疑いについて、バルク事務局長は否定している[1]。FIFAから発表された声明でも「事務局長に関する複数の告発があった」とあるのみで、告発の内容について現段階では触れられていない[1]。今後は、FIFAの倫理委員会で更なる調査がなされるという[2]。
注釈
編集- ↑ 情報源のサンケイスポーツでは「ジェローム・ヴァルケ」表記。
情報源
編集- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 ジュネーブ=原克彦 『FIFA、事務局長を停職処分 チケット不正取引の疑い』 — 日本経済新聞, 2015年9月18日
- ↑ 2.0 2.1 『FIFA、会長の側近とされる事務局長の職務を停止』 — TBSテレビ, 2015年9月18日
- ↑ Goal.com 『FIFAのヴァルケ事務局長を停止処分、チケット販売に関する不正行為疑惑で』 — サンケイスポーツ, 2015年9月18日
- ↑ 4.0 4.1 4.2 『FIFA、事務局長も疑惑 チケット不正転売か』 — 日刊スポーツ, 2015年9月18日
- ↑ ロンドン時事 『FIFA事務総長が停職処分=ブラッター会長側近』 — 時事通信社, 2015年9月18日