2008年度の年金、過去最大の赤字に

【2009年8月5日】 日経新聞によると、日本厚生労働省は2008年度の国民年金厚生年金のそれぞれの決算(時価ベース)を発表したが、それぞれ3年、2年連続の赤字で、かつ過去最大の赤字幅であることが判った。

それによると、国民年金は1兆1216億円、厚生年金は10兆1795億円の赤字で、2007年度のそれら(国民年金=7779億円、厚生年金=5兆5909億円)を大幅に上回っている。主な原因として積立金運用が不振にあえいでいることが上げられる。これらの年金は年金積立金管理運用独立行政法人により日本国内外の株式などに分散投資をしているが、2008年秋の世界的な不況の影響で損失が大きかったという。その為、年金受給者の給付は積立金を取り崩してまかなうという事態となり、年金運営の厳しさを露呈した格好である。

しかし、朝日新聞によると、年金給付に際しては保険料と国庫負担で賄っていることから、「単年度赤字がすぐに年金の給付に影響することはなく、前年末までの株価の状況を見て長期的な年金財政の見通しを作っているため、将来的にも負担と給付のバランスは保たれる」と、厚生労働省は説明しているが、不況の影響が長引けば給付水準の低下の可能性もあると示唆している。

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