広島銀行とウツミ屋証券、共同出資の証券会社設立で基本合意
【2007年7月10日】
広島銀行(本店:広島市)および、ウツミ屋証券(本店:広島市)の開示したニュースリリースによると、株式会社 広島銀行(東京証券取引所1部上場)とウツミ屋証券 株式会社(非上場)は、共同出資の証券会社を2008年1月の営業開始を目指して設立する事に基本合意したと、2007年7月9日に発表した。実現すれば、地方銀行と地方を拠点とする証券会社が共同出資の証券会社を設立するのは、全国初となる。
共同出資の証券会社の概要
編集- 資本関連:
- 出資比率は、広島銀行とウツミ屋証券双方の保有する株主議決権が同数となる額(各50%出資)。共同出資により設立される証券会社(以下、共同出資証券会社と表記)は、上場会社である広島銀行の持ち分法適用関連会社となる。具体的な資本金額は、今後の協議で決定。
- 事業内容:
- 現在のウツミ屋証券の営業部門のうち、リテール営業部門(一般投資家向け営業部門)を継承すする。
- 共同出資証券会社へリテール営業部門を譲渡した後のウツミ屋証券は、ディリーング部門(自己売買部門)を中心に存続する。
- 現在のウツミ屋証券の営業部門のうち、リテール営業部門(一般投資家向け営業部門)を継承すする。
- 事業遂行に必要なシステム:
- 現在のウツミ屋証券のシステムを使用する。
- 商号、本店所在地、会社代表者、役員、具体的な事業継承手順等:
- 広島銀行とウツミ屋証券の間で今後協議し、決定する。
共同出資証券会社を設立する目的
編集広島銀行とウツミ屋証券が共同出資証券会社を新たに設立する、第1の目的は、共に広島市に本店を置く両者が営業区域内に築いた基盤を活用し、より利便性の高い証券サービスを提供できる金融グループとなることにある。今後の予定として共同出資証券会社と広島銀行が共同店舗を設置する構想が挙げられているのも、広島銀行の預金者へ株式を始めとする証券投資が同一店舗内で取り扱ってもらえる利便性をアピールしているものと考えられる。
第2の目的は、広島銀行とウツミ屋証券の経営資源を融合することにより、企業としての収益力を向上させることにある。上に挙げた共同店舗も、店舗建屋等を統合するなどによる経費削減が見込めよう。
第3の目的は、銀行預金と証券投資の2つの業務の垣根を低くし、貯蓄から投資へという流れに対応する事にある。既存の預金者を証券投資へと導くのは、政府の提唱する証券投資および証券市場への資金誘導方針にも合致する。
関連情報
編集2007年7月10日付『中国新聞』朝刊によると、山口フィナンシャルグループ(本店:山口県下関市)は、東海東京証券(本店:東京)と、共同出資によりワイエム証券(本店:山口県下関市)と設立し、2007年10月の営業開始を目指して準備を進めている。(山口フィナンシァルグループ傘下のもみじ銀行(本店:広島市)は、広島銀行と主要な営業区域が重なっている)
出典
編集- 広島銀行 『(お知らせ)“広島銀行とウツミ屋証券との共同出資による証券会社設立に関する基本合意について″(PDF)』 — 広島銀行, 2007年7月9日
- ウツミ屋証券 『(ウツミ屋証券からのお知らせ) “ウツミ屋証券と広島銀行との共同出資による証券会社設立に関する基本合意について″(PDF)』 — ウツミ屋証券, 2007年7月9日
- 奥田美奈子 「広島銀とウツミ屋証 共同出資で新証券会社」。『中国新聞社』、2007年7月10日。
- 中国新聞社 「収益増へ地場2強タッグ 広島銀・ウツミ屋証 新社」。『中国新聞社』、2007年7月10日。