2005年ポーランド議会選挙最終結果

【2005年9月28日】

ポーランドの位置

ポーランド中央選挙管理委員会は現地時間の27日、26日に行われた下院選挙(定数460)の最終結果を発表した。保守系の「法と正義」が155議席を得て第1党となった。第2党は133議席を得た中道右派の市民プラットフォーム。全国での投票率は40.3パーセントだった。政権党だった民主左翼連合は、得票率を前回の41%(AP通信による)から11%と大幅に減らし、第4党に転落した。

順位 政党名 得票率 (%) 議席数
1. 法と正義 26.99 155
2. 市民プラットフォーム 24.14 133
3. ポーランド共和国自主防衛党 11.41 56
4. 民主左翼連合 11.31 55
5. ポーランド家族同盟 7.79 34
6. ポーランド農民党 6.96 25
   その他 - 2

報道各社は、選挙最終結果発表前から、上位2党が連立する意向を示していると伝えていた。中国新聞は27日のファクト紙の報道として、「法と正義」のカチンスキ党首が最終確定結果発表後、ただちに連立交渉に入る意向を示したと伝えている。それによれば、閣僚の半数と下院議長を市民プラットフォームに与える一方、法相ポストを「法と正義」が確保する構想であるという。選挙では、失業率とともに前政権の汚職とその一掃が焦点となっていた。英タイムズ紙は政治への失望から政治への無関心が高まり、投票率が低くなったとしている。

英国夏時間27日(UTC+1、日本時間28日)のロイター通信によると、最終結果発表を受け、「法と正義」は、首相候補として経済専門家のカジミーツ・マーチンキウィッツ氏を首相候補に指名した。「法と正義」のカチンスキ党首が首相候補になるとの予測があったが、ロイター通信は、10月に予定される大統領選挙にカチンスキ党首の双子の弟、レフ・カチンスキ・ワルシャワ市長が出馬するため、カチンスキ党首が首相候補指名を辞退したとする観測があることを伝えている。

タイムズ紙と英フィナンシャル・タイムズ紙は、連立を予定する二党の間で調整が必要となる政策の違いを挙げている。両党は1980年代の労働運動「連帯」から発展した政党ながら、キリスト教系で保守的な「法と正義」に対し、「市民プラットフォーム」は開放経済を志向している。両紙をはじめとし、報道機関は税制についての公約の違いに注目している。「法と正義」は税率を増やし、福祉などの所得の再配分を徹底する考えを持っているが、市民プラットフォームは一律15パーセントの税率を主張している。またフィナンシャル・タイムズ紙は外交政策の違いについて触れ、市民プラットフォームが欧州連合(EU)との協調を強く志向するのに対し、法と正義はややナショナリズム的傾向をもつとしている。対して、選挙前の政権党である民主左翼連合は旧共産党系で親ロシア的政策をとっていた。同紙では、このため、外交政策、とりわけドイツやロシアといった周辺大国とポーランドの関係が大幅に変化するものと予測し、またポーランドの今後の対EU政策は、イギリス政府のそれに似てくると観測している。

ポーランド語版ウィキニュースの翻訳を含みます。

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