18歳未満が原発の放射線管理区域内で定検作業、東芝の3次下請
【2008年6月4日】
共同通信、日本経済新聞、毎日新聞によると、東芝は6月4日(UTC+9)までに、福島・宮城・青森県の3原子力発電所の定期点検の際、下請け会社が雇用した18歳未満の臨時作業員6人が、労働基準法で禁じられている放射線管理区域内の作業に従事していたことを発表した。
毎日新聞によると、6人は、東京電力福島第1原発(福島県)、東北電力女川原発(宮城県)、同東通原発(青森県)において、2007年10月から2008年5月にかけて、定期検査の際、必要な機材を放射線管理区域内へ運ぶ作業に従事したという。 これらの定期検査は、東芝が東京電力と東北電力から請け負っていた。
労働基準法では、18歳以上の者でなければ放射線管理区域での作業に従事できないと定められている。また、放射線管理区域での就労にあたっては放射線管理手帳が必要とされている。しかし、共同通信、日本経済新聞によれば、上記の6人の他にも2人、計8人の臨時作業員が、手帳の取得に必要な住民票等を、自身あるいは仲介者が改ざんして管理手帳の認定発行業者へ提出し、不正に手帳の交付を受けていたという。
毎日新聞によれば、東芝は5月に各原子力発電所を管轄する労働基準監督署へ報告したという。また共同通信によれば、それぞれの地域の労基局が、労基法違反の可能性があるとしてそれぞれ調査しているという。
共同通信によれば、東芝は、今回の件を遺憾であるとし、下請け会社への指導を強化すると発表したという。
出典
編集- 47NEWS(共同通信) 『18歳未満が管理区域で作業 東芝下請け業者が雇用』 — 全国新聞ネット, 2008年6月4日
- NIKKEI NET 『18歳未満が原発作業、東芝の3次下請け放射線管理区域内で』 — 日本経済新聞, 2008年6月4日
- 毎日jp(石丸整) 『東芝:下請けの18歳未満バイト6人が原発で作業』 — 毎日新聞, 2008年6月4日
外部リンク
編集- 『発電所構内での定期検査作業における下請会社作業員の年齢詐称について』 — 東芝, 2008年6月3日
- 法令データ提供システム 『労働基準法』 — 総務省行政管理局, 2008年6月5日閲覧
- 法令データ提供システム 『年少者労働基準規則』 — 総務省行政管理局, 2008年6月5日閲覧
- 『原子力発電所等で放射線業務に従事するには』 — 放射線影響協会, 2008年6月5日閲覧
- 『放射線管理手帳制度』 — 放射線影響協会, 2008年6月5日閲覧
- 『放射線管理区域(radiation controlled area)』 — 原子力安全研究協会, 2008年6月5日閲覧