鳥取県議会、人権救済条例を可決

【2005年10月13日】

2005年10月12日、鳥取県議会本会議において、「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」が可決された。

議案は、県議会議員38人中35人の連名で提出された議員提出議案。賛成34、反対2、棄権1での可決だった。尾崎薫議員(えがりて)と浜田妙子議員(きずな)が反対した。11日の総務警察常任委員会で採決に反対した広江弌議員(自民)は、棄権した。

この条例では、人権救済機関となる「人権侵害救済推進委員会」(以下 委員会)を設置するとしている。

委員会は知事の直属機関とされ、正当な理由なく調査を拒んだ場合、当事者には5万円以下の過料を科す。また委員会が人権侵害中止の勧告を行うことができ、その勧告に従わない場合にはその旨を公表することができるとした。勧告に従わないものの公表に関しては氏名・住所を公表する一方、事前に弁明する権利が明記されている。

また、報道機関の報道、取材の自由その他の表現の自由を最大限に尊重すべきであるとしている。一方で、条例適用対象から報道機関も除外していない。

委員会の措置は行政処分であるため、裁判所による手続きは必要としない。このため弁護士の選任は考慮していない。

今回可決された条例案は、10月5日、清風、自民、信、公明、住民連合、社民の6会派35人によって共同提出された。清風は先月の総選挙の後、自民党から離脱した県議会議員により結成された保守系会派。信は民主党系の会派。昨年12月、県が議会に提出した条例案を継続審議とし、修正したものを提出した。

条例案は議会内外で論議を呼んでいた。常任委員会での審議では尾崎議員が氏名公表に懸念を示したが、提案した議員からは妥当とする反論がなされた。朝日新聞などによれば、鳥取県弁護士会は8日会長声明を出し「氏名公表は社会的生命を奪いかねない。刑事罰以上の制裁なのに弁護人の選任もない」「反対尋問権や弁護士選任権が保障されていない」「表現・報道の自由を制約」するなどの批判を行い、憲法違反の虞があるとの見方を示した。条例には委員会の委員のうちには、弁護士を含めるように努めることとなっているが、県弁護士会はこれについて態度を保留している。また地元紙である山陰中央新報が、7日の社説で県民への周知や議論が十分でないとする批判を行ったのをはじめ、報道機関の論調も批判的である。

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