高知地裁、聴覚障害を持つ裁判員候補者に対し手話通訳を手配せず

【2010年1月20日】

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読売新聞毎日新聞によると、高知地裁1月19日UTC+9、以下同様)から始まった裁判員裁判で、同地裁が、聴覚障害のある女性に対し、裁判員候補者として出席させながら、この女性に手話通訳者を手配していなかったことが判明した。この女性は、事前に通訳が必要だと書類で求めていたが、同地裁は見落としていた模様。これにより、この女性は裁判員の選出から漏れた。同地裁は、女性が帰った後、ファクスで謝罪文を送付した。

読売新聞によると、同地裁のコメントとして、この女性は19日に、裁判員の選任手続への呼び出しを受け、出席した裁判員候補者31人のうちの1人。この女性は、呼出状に同封されていた事前の質問票に「手話通訳が要る」という欄に丸印を付けた上で返送していた。同地裁の複数の職員が質問票をチェックしていたものの、印を見落としたという。毎日新聞によれば、選任手続の面談については、筆談で対応した模様である。最終的に、女性は9人の裁判員(補充裁判員を含む)に選出されなかった。

読売新聞によると、この女性が、帰り際に、同地裁の職員に対し、「事前に要望していたのに、手配をしてくれなかった。私は裁判所が嫌いになりました」と記入したメモを見せたことで、チェック漏れが判明した。

毎日新聞によると、同地裁総務課は、「十分に対応できず、御本人にも高知県聴覚障害者協会にも迷惑を掛け、申し訳無い。今後は、こういうことが無いよう、チェック体制を強化したい」とコメントしている。

読売新聞によると、最高裁広報課のコメントとして、裁判員候補者となった聴覚障害者が手話通訳を希望した場合、裁判所は、手話通訳者などを手配することが制度の前提になっているといい、同課は、「(手話通訳者の手配についての)実情について詳しく話を聞いた上で、再発防止に向け、チェック体制を強化するよう、日本全国の裁判所に対し周知徹底したい」と話している。一方、高知県聴覚障害者協会は、「聴覚障害者が制度に参加できるよう、適切な対応をお願いしたい」として、近く同地裁に対し文書で要望することにしている。

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