高松塚古墳のカビ拡大、「飛鳥美人」にも被害

【2007年4月18日】

高松塚古墳の壁画(資料、2006年3月撮影)

西日本新聞によると、奈良県明日香村高松塚古墳の石室側壁に発生しているカビが拡大し、「飛鳥美人」と呼ばれる女子群像にも被害が及んでいることがわかった。文化庁が18日(UTC+9) に発表した。

高松塚古墳は7世紀末から8世紀はじめにかけて造られたと見られる古墳で、雨水の浸入やカビの発生などにより石室内の壁画の劣化が問題になっている。壁画を保存するために文化庁は石室を解体して補修する計画を進めている。

中国新聞が伝えた同庁の発表によると、西壁の女性像の黄色い服の上に以前からあったカビが濃くなり、また直径も数センチメートルに拡大していた。絵の付近3ヵ所にも新たにカビの発生が確認された。また、東壁に以前からあったカビも拡大し、女性像の肩にかかるようになっていた。この周りのカビも濃くなり、特に大きなものは直径5センチメートルになっていた。

中国新聞や西日本新聞によると、カビを発見した文化庁は同日、滅菌した水を含ませた筆でカビをぬぐいっとったり、女子群像にエタノール噴霧により消毒するなどしてカビを除去することを試みたが、完全には除去できなかった。

日本経済新聞によると、今後の作業日程に大きな影響はなく、予定通り西壁石は連休明けにも取り外し、施設に搬送して本格的な修復に取り掛かるという。

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