【2007年3月18日】

中日新聞[1]の報道によると、3月18日午後0時45分ごろ、岐阜県高山市丹生川町日面の観光施設「大橋コレクション館」に男3人が侵入し、同館2階にて展示されていた金塊時価2億円相当、重さ約100kg、高さ19cm、上面は幅・奥行きとも16.5cm、下面は17.5cmの台形)を奪い、別の男1人と白の軽自動車で逃走した。また、制止しようとした女性従業員が足に5日間の怪我を負った。岐阜県警高山署は、強盗致傷事件として捜査している。

警察の調べでは、4人はいずれもサングラスやマスクなどで顔を隠し、1人はグレーのジャンパー、1人は銀色のスエットスーツ姿、残る2人は灰色の服だったという。

逃走に使われたとみられる軽自動車が、同日午後2時40分ごろ高山署員が現場から約5km離れた高山市中心に向かう県道沿いの空き地で発見したが、同日朝に同市内の駐車場から盗まれた盗難車であった。

強奪された金塊は、1989年に鍾乳洞発見25周年を記念して制作し、観光シーズン中は直接手を差し込んで触れられるよう半球状のケースに入って展示しているが、冬季は金庫の扉の開け展示していた。

事件当時、同館は開館していたが、館内に他の見学者はいなかった。

逃走に使用した軽自動車が乗り捨てられていた現場に、岐阜県外のナンバーの不審車両が止まっていたことが、岐阜県警高山署などの調べでわかった。盗難された軽自動車が盗まれた場所は、地元以外はあまり通らない道にあり、犯人グループの中に土地勘がある人間が含まれている可能性がると同署はみている。また、同署の調べによると、金塊を持ち出す際、網のようなものをかぶせ引きずるのを展示室の防犯カメラに写っていた。同署は、当初犯人グループを4人組と発表していたが、防犯カメラを分析したところ、3人組と修正した。[2]

岐阜県警は20日、高山署に捜査本部を設置し、犯行に使用した工事用の緑色のネットの入手経路と逃走中に乗り換えたと思われる車の行方を調べている。また、「大橋コレクション館」を運営している第三セクター「飛騨大鍾乳洞観光」は、同署に2億円相当と被害届を出しているが、1989年に購入した金額であり、金塊の時価は2億5,000万円-2億6,000万円になる。[3]

「飛騨大鍾乳洞観光」は21日、美術館「大橋コレクション館」は、警備体制が整うまで閉鎖し、22日から鍾乳洞に限って営業再開することを決めた。[4]

出典

  1. 中日新聞(未署名記事) 「2億円金塊を強奪」。『中日新聞社』、2007年3月19日。朝刊・第1面、社会面
  2. 中日新聞(未署名記事) 「高山・金塊強奪 乗り捨て現場に不審車」。『中日新聞社』、2007年3月20日。朝刊・社会面
  3. 中日新聞(未署名記事) 「工事用ネットで運搬か 高山金塊強奪 入手経路など捜査」。『中日新聞社』、2007年3月21日。朝刊・社会面
  4. 中日新聞(未署名記事) 「高山金塊強奪事件 大都市圏に逃走か」。『中日新聞社』、2007年3月22日。朝刊・社会面


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