重要文化財の仏像、住職が無届で借金の担保に

【2010年11月10日】

毎日新聞読売新聞によると、真言宗[注釈 1]寺院常楽院京都市北区)の釈迦如来立像(重要文化財)が、文化財保護法によって義務付けられている届出の無いまま、同寺の住職債権者側に借金担保として預けられていることが、11月10日UTC+9)に判明した。

読売新聞によると、同寺の住職(71歳)は、「東京美術商に預けた」と説明、文化庁などは、美術商関連の個人が10日現在で所有していることを確認した。保存状態は良好だという。文化財保護法では、文化財の所有者や保管場所に変更が生じた場合、同庁に届出を行う必要があるが、同院は届出を怠っており、同庁は経緯を調べることにしている。また、毎日新聞によれば、同庁は、「重文とは言え、個人法人の所有物であり、保持を強制することは難しい」としている。

読売新聞が同庁の話として報じたところによると、この像は鎌倉時代の作とされ、高さ97センチ(毎日によれば、清凉寺(同市右京区)所蔵の国宝・釈迦如来立像の模刻で、同院の本尊)。1938年に重文指定されたものの、同院にはプレハブ建物しか無いため管理状況が悪いとして、同庁が同法に基づき、1974年から京都国立博物館(同市東山区)に預けさせた。その後、住職の要請により、2004年12月に一時的に返還したが、その直後に同庁が確認したところ、住職は「美術商に借金の担保として預けた」と説明したという。

毎日新聞によると、同院を巡っては、京都府警10月に、東京の出版会社に法人格の購入を持ち掛け、700万円を騙し取ったとして詐欺容疑で住職らを逮捕、その後住職が処分保留釈放されたという経緯がある。

注釈

編集
  1. 読売新聞より

情報源

編集