違法なケシ400株が1都6県に流通 - 神奈川県が適法と誤指導
【2010年5月27日】
神奈川県は5月26日(UTC+9)、アヘンの原料になるとして栽培が禁止されているケシ(ソムニフェルム種)を[1][2]同県藤沢市の農家に[2]「適法」と誤って指導し[1]、その結果として東京都や神奈川県など関東地方を中心とする1都6県に約400株[注釈 1]が流通したと発表した[1][2][3]。
石黒順一・県環境農政局長は同日午前に県庁で会見し、「皆様に多大な迷惑をお掛けすることになったことを深くおわび申し上げます」と謝罪の言葉を述べた[3]。
県の発表によると、農家は長野県長野市在住の主婦から藤沢市内の愛好家に渡された[3]種を「観賞用のポピー」であるとして譲り受け[2][3]、栽培していたが、違法なケシであるかもしれないと思ったため[2]、先月30日に県の農業技術センターに、違法なものであるかどうか出荷前に調査してほしいと依頼[1]。同センターの職員が確認を行ったが、ケシがまだ蕾の状態であったために違法な種であることが見抜けず[2]、葉の形状を参考にして「違法なケシではない」と指導した[1]。確認を行った職員は専門家ではなく、厚生労働省のウェブサイトに記載された資料を参考にして確認作業を行っていたという[1]。
東京都から神奈川県に、「都内の花屋にケシと思われる花が陳列されていた」という情報が寄せられ、神奈川県で調査を行っていた[2]。
県ではこれまでに204株を回収し[1][2]、農家に在庫として保管されていた321株も回収した。一方で、一部の株はすでに売れたと見られて行方が分からなくなっており[2]、県は他の自治体と連携して、残りの株の回収を進めている[1]。県では、栽培されている植物が違法なものであるかどうか科学的に判断するための態勢が不充分であり、今回の問題を受けて、専門家を交えた判定システムを構築していくことを検討するという[3]。
注釈
編集- ↑ 時事通信では395株、共同通信では401株と記載。
情報源
編集本ニュースは「時事通信」と「共同通信」「毎日新聞」の以下の報道を情報源としている。