過去に鳥インフルエンザ感染の疑い、茨城と埼玉で77人

【2006年1月11日】

培養した鳥インフルエンザウイルス(参考)
培養した鳥インフルエンザウイルス(参考)
培養した鳥インフルエンザウイルス(参考)

朝日新聞、読売新聞、東京新聞によると、厚生労働省国立感染症研究所は10日、2005年に鳥インフルエンザが発生した茨城県埼玉県の養鶏場で従業員など77人がウイルスに感染していた疑いがあることを、弱毒型鳥インフルエンザウイルス(H5N2型)の感染状況調査の中間報告で明らかにした。

厚労省と感染症研究所は2005年12月までに、H5N2型ウイルスが発生した茨城県と埼玉県の34養鶏場の従業員および家族と、その養鶏場の防疫作業を担当した県職員の計353人の血液検査を行った。抗体検査の結果、陽性と判断されたのは養鶏場の従業員72人と、防疫作業担当者5人の計77人。しかし、ウイルスは検出されていないため、実際に感染していたかは不明。東京新聞によると、感染時期について、養鶏場の従業員15人は、2005年に鶏のウイルス感染が確認された前後であると見られているが、他の62人については分かっていないという。朝日新聞、読売新聞、東京新聞によると、厚労省は今回の調査で陽性を示した人が今後発病する恐れや、他人へ感染させる恐れはないとしている。

読売新聞によると、H5N2型ウイルスは中国トルコなどアジア地域で猛威を振るっているH5N1型ウイルスよりも病原性が弱く、世界でも人間への健康被害の報告はない。また、H5N2型ウイルスが人に感染した可能性があるという報告は世界初となる。

読売新聞、朝日新聞によると、鳥インフルエンザと通常のインフルエンザに同時にかかると、ウイルスが強毒化する可能性や新型インフルエンザに発展する可能性も否定できないため、厚労省は通常のインフルエンザにかかった場合は養鶏場で作業などをしないように呼びかけている。

ロイターによると、世界保健機関 (WHO) は10日、中華人民共和国で鳥インフルエンザにより2005年12月に2人が死亡したことを発表した。中国での鳥インフルエンザによる死者はこれで5人になった。また、中国貴州省で、ウズラに鳥インフルエンザが感染していることを、中国農業省が公表した。

また、朝日新聞によると、WHOは9日までに、トルコの東部で子供2人がH5N1型の鳥インフルエンザに感染して死亡したことを確認した。また、トルコ中央部にある首都のアンカラでも感染が報告されている。

CRIによると、メキシコ政府は1月6日、チャパス州で鳥インフルエンザの感染を発表した。H5N2型であるため、政府は人間の健康に影響はないとしている。

ロイターによると、ルーマニア農業省は2005年12月27日、ブカレストから90kmのヤロミツァ県アルベスティ村で鳥インフルエンザの感染を発表した。H5型であるがH5N1型であるかどうかわからないという。

ScoutNewsによると、鳥インフルエンザの数少ない治療薬のひとつとして有名なオセルタミビル(商品名タミフル)に対する耐性を示す症例が、2005年10月以降ベトナムで見つかった。

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