輸入禁止の北朝鮮から衣類を密輸 アパレル会社員ら逮捕

【2011年5月11日】

時事通信によると、現在日本への輸入が原則禁止されている北朝鮮から衣類を密輸入しようとした外為法違反(無承認輸入)の疑いで、兵庫県警大阪市の繊維会社役員・中木正博(44)、名古屋市のアパレルメーカー社員・坂野明広(40)、北朝鮮国籍の貿易会社(現在解散)の元会長・梁大由(65)ら4人の容疑者を逮捕した。このほか、47歳の元社長の男に対しても逮捕状を請求した。調べに対して中木・坂野の2人の容疑者は容疑を認めているが、他2人は容疑を否認している。

読売新聞と時事通信によると、容疑者らは2009年4月、北朝鮮で製造した女性向けのショートパンツ約300着を中国大連を経由して密輸入をしようとした疑い。坂野容疑者が中木容疑者に対して「安く加工できるところはないか」と持ちかけたところ、貿易会社を通して同容疑者から北朝鮮の工場を紹介された。そしてその工場に生地を送って加工させた上で、その商品に大連で「中国製」のタグをつけて生産地を偽ったとされる。読売によると、北朝鮮は人件費が安く、コストを抑制する狙いがあったとみられている。

外務省によると、日本の北朝鮮との輸出入については、現在核実験に対する制裁処置として、原則として全面禁止されている。時事通信によると、この北朝鮮に委託加工してもらって密輸入し、摘発されたのは日本初の事例という。

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