赤福餅でも表示偽装疑惑

【2007年10月13日】

伊勢市にある赤福餅本店

読売新聞によると、三重県和菓子製造業で、創業300年の伝統がある老舗・赤福が、製造年月日を偽装したとする疑いで、農林水産省は10月12日、赤福に対して日本農林規格(JAS)法に基づいて表示の不適正の改善や再発防止を指示した。

東京新聞によると、農林水産省の調べで赤福は一旦製造し、賞味期限や製造年月日を印刷した赤福餅で、販売店に出荷しなかった商品を冷凍保存し、注文の必要に応じてそれを解凍・再包装した「巻き直し」を行い、その時に製造年月日を改めて表示し直して出荷するということを1973年から日常的に行ってきたという。特にこの巻き直しによる出荷は2004年9月から今年8月の3年間で少なくとも総出荷量の18%・605万箱で行っていた。

東京によると、農林水産省に8月中旬「赤福が製造年月日を偽装した」という情報があり、9月から10月にかけて、伊勢市の本社などを検査し、偽装がわかった。赤福は「出荷調整のために製造日の偽装をしていた」と説明した。なお読売によると、赤福餅の賞味期限は製造日を含めて夏は2日、冬は3日としており、同社ホームページでは「製造したその日に限って販売している」旨を掲載していた。

また読売によると、JAS法には原材料を重量の順番に表示することが定められているため、本来は「砂糖小豆もち米」の順とすべきところを「小豆・もち米・砂糖」と順を変えて表示をしていたこともわかった。

中国新聞によると、この事件が発覚した10月12日、JRの駅売店や名古屋市内デパートでも相次いで「都合により赤福餅の販売を中止いたします」という旨の張り紙をして、商品が撤去された他、松坂屋名古屋店にある飲食コーナーの「赤福茶屋」も営業取り止めとなった。また三越名古屋栄店でも、赤福餅を含めた全ての赤福製品の予約を中止した。中国新聞のインタビューに答えた70歳代のある夫婦は「昔から赤福ファンで、いつも買ってきたが、30年も偽装したのは許せない」と怒りをあらわにしたという。

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