訃報 熊田千佳慕氏
【2009年8月15日】
朝日新聞・毎日新聞・読売新聞によると、画家の熊田千佳慕(くまだ・ちかぼ、本名:熊田五郎)氏が8月13日(UTC+9、以下同様)、誤嚥性肺炎のため神奈川県横浜市内の自宅で死去した。98歳だった[1][2][3]。
横浜市出身。東京美術学校(現:東京芸術大学)在籍中、対外宣伝用グラフ誌「NIPPON」のレイアウトを担当した。また、同門であった写真家の土門拳に撮影の助言も行っていた[3]。
戦後は絵本作家として活動[2][3]。60歳のころから、少年時に親しんだ「ファーブル昆虫記」を絵本化した「ファーブル昆虫記の虫たち」シリーズの制作がライフワークとなり、70歳の時に同作でイタリアのボローニャ国際絵本原画展に入選を果たした[1][3]。徹底した観察に基づいた細密な昆虫画で知られ、「日本のプチ・ファーブル」と呼ばれた[2][3]。
8月12日から、東京・銀座の松屋銀座で個展が始まったばかりであった[1][2]。個展に多数の観客が訪れたと聞いて喜んでいたという[3]。