訃報 庄野潤三氏 - 芥川賞作家、「第三の新人」のひとり
【2009年9月23日】
芥川賞を受賞した小説家で日本芸術院会員の庄野潤三(しょうの・じゅんぞう)氏が9月21日、老衰のため神奈川県川崎市の自宅で死去した。88歳だった[1][2][3]。
大阪市に生まれ、中学生時代に担任であった詩人の伊東静雄氏に学生時代にわたって師事[1][3]。九州帝国大学法文学部東洋史学科卒業[1][2]。海軍の予備学生として出征し[2]、伊豆半島で終戦を迎える[1]。復員後は教師や朝日放送のディレクターを務めるかたわら[1][2]、島尾敏雄氏らと同人誌を創刊[2]、「愛撫」などの小説を発表して注目を集めた[1]。1955年、平穏な家族の暮らしに潜む危機を描いた「プールサイド小景」で芥川賞を受賞した[1][2]。安岡章太郎・吉行淳之介・遠藤周作の各氏らと共に「第三の新人」と呼ばれた[2]。
「静物」(1960年、新潮社文学賞受賞)、「夕べの雲」(1965年、読売文学賞受賞)、「絵合せ」(1971年、野間文芸賞受賞)などの家庭小説で知られる[2]一方、1957年に米国ロックフェラー財団に招かれ同国オハイオ州に1年間滞在した体験を描いた「ガンビア滞在記」(1959年)などの紀行作品でも知られた[1][3]。1978年より日本芸術院会員[3]。
情報源
編集本文は朝日新聞、毎日新聞、47NEWS(共同通信)を情報源としている。