訃報 小沢昭一氏 - ワンマントーク番組で人気

【2012年12月11日】 日刊スポーツによると、俳優の小沢昭一氏が12月10日午前1:20(日本時間)、前立腺がんのため東京都内の自宅で死去した。83歳だった。

小沢氏は1998年に前立腺がんが見つかり、これが2010年になって頚椎に転移していたことが明らかになったが、特に入院はせず、放射線治療などを受けていたという。しかし今年8月に猛暑の影響で体力が低下し入院し、一旦は回復傾向にあったものの、9月に再入院。事務所によると「1-2週間は様子を見るための入院で、再入院後は病院内を歩いて、コンビニにも出かけていた」という。その後10月に退院し、妻とともに静養していた。

産経新聞によると、小沢氏は早稲田大学在学中に俳優の養成所に入所、卒業後は俳優座に入団し、舞台、映画などで活躍。映画デビューは大学の同窓生・今村昌平氏からの紹介だった。1973年からTBSラジオで自らディスクジョッキーを勤めるワンマントーク番組である「小沢昭一的こころ」をスタートさせ、1万回以上にわたり軽妙洒脱なトークを展開していた。日刊によると、小沢氏の体調不良のため9月24日放送から新作の放送は取りやめとして、その間は傑作選と称したアンコールの放送を行い、12月7日までに10410回放送された。

日刊によると、11月16日の放送では、11月5日に小沢氏の自宅で収録した近況の報告が放送され「お休みしている今はこころにぽっかり穴が開いているような、そんな空(くう)な感覚です。早く元気になってこの心の空の穴を生めていきたいと思うのであります。また明日のこころだ!」と挨拶したが、これが遺作となった。

産経によると、小沢氏は浪花節や猿回し、放浪芸といった伝統芸の普及・情報収集や芸能史の研究にも尽力を注ぎ、小沢氏ならではの視点から伝統芸の再発掘を果たした。またスポーツ報知によると、小沢氏は俳人「小沢変哲」としても知られ、「やなぎ句会」のメンバーとして活躍する傍ら、犬山市の「明治村」村長としても活躍していた。

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